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書き手の主張がブレない!論理の軸をつくる3ステップ

「一生懸命書いたのに、結局何が言いたいのか分からなくなってしまった…」そんな経験はありませんか?文章の途中で主張がブレてしまうのは、書き始める前の準備、つまり「論理の軸」が定まっていないことが原因です。この記事では、誰でも一貫性のある文章を書けるようになるための「論理の軸をつくる3つのステップ」を、具体例を交えながらやさしく解説します。

なぜ文章の主張はブレてしまうのか?

文章の主張がブレる根本的な原因は、書き手の頭の中が整理されていないことにあります。書きたいことが多すぎたり、伝えたい結論が曖昧だったりすると、文章は方向性を見失ってしまいます。まずは、なぜ主張がブレてしまうのか、そのメカニズムを理解しましょう。しっかりとした土台(論理の軸)がないまま家を建てるようなもので、それでは安定した文章は作れません。

書き始める前に「設計図」がない

家を建てる前に詳細な設計図が必要なように、文章にも「設計図」が不可欠です。この設計図こそが、今回テーマとする「論理の軸」にあたります。多くの人は、頭に浮かんだアイデアをそのまま書き連ねてしまうため、途中で新しい情報を加えたくなったり、別の面白い論点に気づいたりして、当初の目的から逸れてしまいます。その結果、話題があちこちに飛び、読み手は何を信じればいいのか分からなくなってしまうのです。最初に「何を、誰に、どう伝えるか」という設計図をしっかり描くことが、主張のブレない文章への第一歩となります。この一手間をかけるだけで、執筆中の迷いが格段に減るでしょう。

伝えたい「たった一つの結論」が決まっていない

あなたがその文章を通して、読者に最も伝えたいことは何でしょうか?それが、文章の核となる「たった一つの結論」です。この結論が曖昧だと、主張のブレは避けられません。「Aも重要だし、Bも伝えたい」という気持ちは痛いほど分かりますが、欲張ると焦点がぼやけ、結局何も伝わらないという事態に陥ります。例えば、「運動は健康に良い」というテーマでも、「ストレス解消に効果がある」と「生活習慣病を予防する」では、強調すべき根拠や具体例が変わってきます。まずは、読者に一番持ち帰ってほしいメッセージを一つに絞り込む勇気を持ちましょう。この結論が、文章全体の行き先を示す北極星の役割を果たします。

根拠と主張のつながりが弱い

明確な主張があっても、それを支える「根拠」との結びつきが弱ければ、文章は説得力を失い、ぐらついて見えます。例えば、「集中力を高めるには朝食が重要だ」と主張したとします。その根拠として「有名なアスリートも朝食を大切にしている」というエピソードだけを挙げた場合、読者は「それはその人だからでは?」と感じるかもしれません。なぜ朝食が集中力に結びつくのか、脳のエネルギー源であるブドウ糖の供給といった科学的な理由や、具体的なデータを示す必要があります。根拠が主張をまっすぐに、力強く支えていないと、文章全体が不安定になり、信頼性が損なわれてしまうのです。

【ステップ1】テーマを絞り込み、問いを立てる

論理の軸をつくる最初のステップは、壮大なテーマを具体的で扱いやすいサイズに絞り込むことです。「健康について」や「働き方改革」のような漠然としたテーマでは、書くべきことが無限に広がり、主張が散漫になってしまいます。テーマを限定し、具体的な「問い」を立てることで、文章のゴールが明確になり、主張がブレるのを未然に防ぎます。ここではその具体的な方法を見ていきましょう。

大きなテーマから具体的なキーワードへ

まずは、書きたいと考えている大きなテーマ(例:「環境問題」)から、より具体的なキーワードへと分解していく作業を始めます。ブレインストーミングのように、関連する言葉を思いつくままに書き出してみましょう。「環境問題」であれば、以下のようなキーワードが考えられます。

  • プラスチックごみ問題
  • 地球温暖化とCO2排出
  • リサイクルの推進
  • 食品ロス削減
  • 再生可能エネルギー

この中から、自分が最も関心があり、読者に伝えたいメッセージが込められるキーワードを一つ選びます。この作業だけで、文章のスコープ(範囲)がぐっと狭まり、論理の軸を立てるための土台ができます。

「誰に」「何を」伝えたいのかを明確にする

テーマを絞り込んだら、次に「誰に(ターゲット読者)」、「何を(伝えたい核心)」を考えます。この設定が、文章の方向性を決定づけます。例えば、「プラスチックごみ問題」というテーマでも、伝える相手によって内容は大きく変わります。

ターゲット読者伝えたい核心(例)
小学生ポイ捨てをやめて、マイボトルを使おうという行動変容
企業経営者リサイクル技術への投資や代替素材開発の重要性
地域住民地域のゴミ分別ルールを守ることの意義と効果

このように、ターゲットと核心を定めることで、使用する言葉遣いや提示すべきデータ、具体例の選び方などが自ずと決まり、読者に響く的確なメッセージを届けることができます。

FAQ: テーマが絞り込めないときはどうすれば?

もしテーマが広すぎて絞り込めないと感じたら、「5W1H」のフレームワークを活用するのが非常に効果的です。Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)という問いを、漠然としたテーマに投げかけてみましょう。例えば「働き方改革」というテーマなら、「なぜ、日本の中小企業で働き方改革は進まないのか?(Why)」や「テレワークを円滑に導入するには、企業は具体的にどうすればいいのか?(How)」のように、具体的な切り口が見つかります。この切り口から生まれた「問い」こそが、あなたの文章が答えるべき中心的な課題となり、ブレることのない論理の軸そのものになるのです。

【ステップ2】主張(結論)を一行で定義する

テーマに関する具体的な「問い」を立てることができたら、次はその問いに対する「答え」を明確に打ち出します。これがあなたの文章における「主張(結論)」となります。この主張は、複雑で持って回った言い方ではなく、誰が読んでも一瞬で理解できるような、シンプルで力強い一行の文章で定義することが重要です。この一行が、文章全体の羅針盤となり、あなたをゴールまでまっすぐ導いてくれます。

「問い」に対する「答え」を書き出す

ステップ1で立てた「問い」を目の前に置き、それに対する自分なりの「答え」を一行で書いてみましょう。完璧な文章である必要はありません。大切なのは、自分の意見を明確な言葉で表現してみることです。

【問い】なぜ、日本の中小企業で働き方改革は進まないのか?
【答え(主張)】それは、経営層の意識改革の遅れと、ITツール導入への資金的・知識的障壁が主な原因である。

この「答え」が、あなたの文章が最終的に証明すべきゴールとなります。この一行があるだけで、どのような情報を集め、どのような論理展開をすればよいかが見えてくるため、以降の文章作成が格段にスムーズになります。

主張は「断定形」で力強く

文章の軸となる主張を表現するときは、「〜だと思います」「〜かもしれません」といった曖昧な表現は避けましょう。自信のなさは読み手に伝わり、文章全体の説得力を削いでしまいます。「〜である」「〜べきだ」といった断定形で書くことを意識してください。もちろん、研究論文のようにあらゆる可能性を考慮する場合は別ですが、意見を述べるブログ記事やレポートでは、力強い断定が読み手の信頼を得る上で効果的です。自信を持って言い切ることで、書き手であるあなた自身の思考も整理され、「この記事で絶対に伝えたいことはこれだ!」という覚悟が決まります。この力強い主張が、文章全体のトーンを決定づけるのです。

主張の「主語」と「述語」を明確にする

主張を一行で書いたら、その文章の「主語(誰が・何が)」と「述語(どうする・どうである)」が明確になっているかを必ず確認してください。例えば、「働き方改革の推進が重要」という表現は、主張としては不完全です。これでは誰が何をすべきなのか分かりません。これを改善すると、「中小企業の経営者は、従業員の定着率向上のために、柔軟な勤務制度を導入すべきである」のようになります。このように「誰が」「何を」「どうすべきか」をはっきりさせることで、主張の解像度が格段に上がり、具体的で行動を促す力を持つようになります。主張が具体的であればあるほど、それを支える根拠も探しやすくなります。

【ステップ3】主張を支える根拠を3つ用意する

力強い主張を一行で定義できたなら、最後のステップとして、その主張を支えるための「根拠」を準備します。なぜそのように主張できるのか、その理由を具体的に示すことで、文章に客観的な説得力が生まれます。根拠は多すぎても焦点がぼやけるため、まずは強力なものを3つに絞り込むのがおすすめです。この3つの根拠が、あなたの主張を支える強固な3本の柱となります。

なぜ「根拠は3つ」が効果的なのか?

根拠を3つに絞ることが推奨されるのには、心理的・論理的な理由があります。

  • 根拠が1つ:主張が弱く、独善的に聞こえる危険性があります。
  • 根拠が2つ:対比の構造は作れますが、やや物足りなく、多角的な視点に欠ける印象を与えます。
  • 根拠が3つ:論理的に安定感があり、多角的な視点を示しつつ、人間が一度に記憶しやすい数だと言われています。「松竹梅」「三種の神器」「三権分立」など、古くから3点セットは説得力を持つ形式として用いられてきました。

まずはあなたの主張を支える柱として、最も強力で、かつ異なる側面からアプローチできる根拠を3つ選び出すことを目指しましょう。これにより、バランスの取れた説得力のある構成が生まれます。

根拠を構造化する(ピラミッドストラクチャー)

用意した3つの根拠は、主張の下にぶら下がる形で構造化します。これは「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれる論理思考の基本形です。頂点にあなたの「主張(結論)」を置き、その下に3つの「根拠」を並べてみましょう。

主張:中小企業は柔軟な勤務制度を導入すべきである。
根拠1:従業員の満足度が向上し、優秀な人材の離職率が低下するから。
根拠2:多様な背景を持つ人材(育児・介護世代など)を確保しやすくなるから。
根拠3:通勤時間の削減などにより、従業員の生産性が向上し、結果的に業績アップにつながるから。

このように構造化することで、主張と根拠の関係が一目瞭然となります。この構造図自体が、あなたの記事の目次や骨子となり、執筆中に道に迷うのを防いでくれる、信頼できる地図の役割を果たします。

FAQ: 良い根拠が見つからない場合はどうすればいいですか?

主張を思いついたものの、それを支える説得力のある根拠が見つからない、ということはよくあります。そんなときは、以下の3つの視点で情報を探してみましょう。

  1. データや統計:公的機関(省庁など)や信頼できる調査会社のレポートを探します。客観的な数字は、最も強力な根拠の一つです。
  2. 具体的な事例:あなたの主張を実践して成功した企業や個人の話を探します。ストーリーは読み手の共感を呼び、主張を身近に感じさせます。
  3. 専門家の意見や引用:その分野の権威ある研究者や専門家の言葉を引用します。これにより、あなたの主張に権威性と客観性が加わります。

これらの根拠は、単なるあなたの思いつきではなく、「客観的な事実」や「社会的な実例」に基づいているため、主張を強力にサポートし、文章全体の信頼性を飛躍的に高めてくれます。

まとめ

この記事では、書き手の主張がブレないための「論理の軸」をつくる3つのステップを解説しました。文章を書き始める前にこの3ステップを実践することで、一貫性があり、説得力の高い文章を体系的に作成できます。

  • ステップ1:テーマを絞り込み、問いを立てる
    大きなテーマを具体的なキーワードに分解し、「誰に何を伝えるか」を明確にして、具体的な「問い」を設定します。これにより、文章のゴールが定まります。
  • ステップ2:主張(結論)を一行で定義する
    立てた問いに対する「答え」を、断定形の力強い一行で表現します。この一行が文章全体の羅針盤となり、書き手を導きます。
  • ステップ3:主張を支える根拠を3つ用意する
    定義した主張を支えるための強力な根拠を3つ選び出します。データ、事例、専門家の意見などを活用し、主張に説得力を持たせます。

この「問い→主張→根拠」という構造こそが、ブレない文章の設計図です。ぜひ、次回の文章作成からこの思考プロセスを取り入れて、あなたの伝えたいことを的確に届けてみてください。

余談ですが、古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人を説得するための3つの要素として「ロゴス(論理)」「パトス(情熱・感情)」「エトス(信頼・人柄)」を提唱しました。この記事で解説した「論理の軸」を構築する作業は、まさに「ロゴス」を固めることに他なりません。しかし、どれだけ論理が正しくても、書き手の情熱(パトス)が感じられなかったり、信頼性(エトス)が欠けていたりすると、人の心は動きません。強固な論理の軸を立てた上で、あなた自身の言葉で、情熱を込めて語ること。このバランスが、本当に「伝わる」文章を生み出す鍵なのかもしれません。

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「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

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