デジタルマーケティング・コンテンツマーケティングのご相談はアワードへ
LOGICAL CORRECTION

論理構成を鍛える添削演習【ビフォーアフター事例付き】

「自分の文章、なんだか分かりにくい…」と感じていませんか?論理構成は知識として知っていても、それを実践するのは意外と難しいものです。この記事では、具体的な「ビフォーアフター」事例を使い、文章が劇的に改善される添削ポイントを解説します。他者の文章を見るように自分の文章を客観視し、説得力を高める技術を一緒に学びましょう。

なぜ論理構成の添削が必要なのか?

優れた文章は、生まれ持った才能だけで書かれるわけではありません。特に論理構成は、練習と添削を繰り返すことで格段に向上する「技術」です。この章では、なぜ自己添削や他者からのフィードバックが、論理的な文章力を鍛える上で不可欠なのか、その理由を解説します。自分の文章の「クセ」に気づき、客観的な視点を手に入れる第一歩を踏み出しましょう。

客観的な視点を持つことの重要性

自分の書いた文章の欠点は、自分自身ではなかなか気づきにくいものです。これは、一生懸命に地図を描いている人が、描いている最中には道の間違いに気づきにくいのに似ています。書き手の中では論理がつながっていても、読者にとっては説明が不足していたり、話の順序が不自然だったりすることがあります。添削とは、この「書き手」と「読者」の認識のズレを埋める作業です。第三者の客観的な視点を取り入れることで、論理の飛躍や説明不足といった「読者にとってのつまずきの石」を発見し、取り除くことができます。この客観的な視点を意識的に持つことが、分かりやすい文章を書くための最も重要な鍵となるのです。

添削で伸びる3つの力

添削の経験を積むことで、単に文章が上手になるだけでなく、論理的思考そのものを鍛えることができます。具体的には、以下の3つの力がスパイラル状に向上していきます。

  • 発見力:文章の中にある論理の穴、矛盾、説明不足といった問題点を見つけ出す力です。最初は他人の文章で練習し、徐々に自分の文章でも発見できるようになります。
  • 修正力:発見した問題点を、的確な言葉や構成で直す力です。語彙を入れ替えたり、文の順序を入れ替えたり、段落ごと再構成したりと、最適な解決策を選ぶ能力が求められます。
  • 予防力:一度指摘されたり、自分で修正したりした間違いを、次に文章を書くときに繰り返さないようにする力です。これが身につくと、文章作成のスピードと質が同時に向上します。

これらの力は、添削という実践を通じて初めて効率的に鍛えられます。知識を学ぶだけでなく、実際に手を動かして直していくプロセスこそが、成長への近道です。

添削してもらう相手がいなくても上達できますか?

はい、上達できます。もちろん、信頼できる人に見てもらうのが理想的ですが、自己添削でも十分にスキルは向上します。重要なのは「いかにして客観的な読者の視点になりきるか」という点です。そのための具体的な方法として、以下の3つをお勧めします。一つ目は「時間を置くこと」。書き終えてすぐに見直すのではなく、一晩、あるいは数時間置いてから読み返すと、冷静な目で文章の欠点が見えやすくなります。二つ目は「音読すること」。黙読では気づかなかったリズムの悪さや、読みにくい箇所が体感的に分かります。三つ目は「チェックリストを作ること」。この記事で紹介するような添削ポイントをリスト化し、それに沿って自分の文章を機械的にチェックすることで、主観を排した添削が可能になります。

【事例1】主張が曖昧な文章の添削

文章の最も大切な目的は「伝えたいこと」を明確に読者に届けることです。しかし、書き手の主張が曖昧だと、読者は「結局、この文章で何が言いたいの?」と混乱してしまいます。ここでは、結論がぼやけてしまった文章を、PREP法などを活用して「主張が明確な文章」へと改善するビフォーアフター事例を見ていきましょう。少しの工夫で、文章の核心がくっきりと浮かび上がります。

Before:改善前の文章

以下は、健康について書かれた文章ですが、要素はたくさんあるものの、一番の主張が分かりにくくなっています。

最近、健康のために何かを始める人が増えているようです。運動はとても大切で、ジョギングやジムに通う人もいれば、家で筋トレをする人もいます。また、食事も健康には欠かせません。栄養バランスの取れた食事が推奨されています。さらに、十分な睡眠も重要です。心身の回復には睡眠が不可欠です。このように、健康のためには色々なことに気をつけるべきだと思います。

この文章は、運動・食事・睡眠と、健康に関する要素を並べていますが、「だから何?」という疑問が残ります。書き手が最も重要だと考えている点が不明確です。

After:改善後の文章

改善前の文章を、PREP法(結論→理由→具体例→結論)の型に当てはめて、主張を明確にしてみます。

健康を維持するためには「継続可能な軽い運動」から始めるのが最も効果的です(結論)。なぜなら、食事改善や睡眠時間の確保も重要ですが、それらは生活習慣全体を変える必要があり、挫折しやすいからです。一方、運動は「週に2回、30分のウォーキング」といった小さな目標から始められ、成功体験を積み重ねやすいのです(理由)。実際に、私の友人は毎日5分のストレッチを始めただけで、肩こりが改善し、活動的になりました(具体例)。このように、まずは無理なく続けられる運動を取り入れることが、健康への第一歩として最適なのです(結論の再提示)。

このように構成を変えるだけで、主張が「継続可能な軽い運動」であると明確に伝わるようになりました。

添削のポイント解説

主張が曖昧な文章を改善するには、情報を整理し、読者が迷わない道筋を作ってあげることが重要です。今回の添削では、以下の4つのポイントを意識しました。

  • Point 1: 結論の明確化
    まず「この記事で一番言いたいことは何か?」を一行で書き出します。今回の例では「継続可能な軽い運動が大事」という一点に絞り込み、それを文章の冒頭に配置しました。
  • Point 2: 理由の絞り込み
    主張を支える理由は、多すぎるとかえって説得力が弱まります。「なぜなら~」と続く部分で、最も強力な理由を一つか二つに絞って説明します。
  • Point 3: 具体例の追加
    抽象的な主張や理由だけでは、読者は自分事として捉えにくいです。「例えば」「実際に」といった言葉に続けて、具体的なエピソードやデータを加えることで、内容の信頼性とイメージしやすさが格段に向上します。
  • Point 4: 構成の型(PREP法)の適用
    情報を「結論(P)→理由(R)→具体例(E)→結論(P)」という順番に並べ替えることで、話の流れが非常に分かりやすくなります。特にビジネスシーンや報告書で有効な型です。

【事例2】話が飛躍している文章の添削

「AだからCだ」と書かれていても、読者の頭の中に「なぜ?その間のBはどこへ行ったの?」という疑問符が浮かんでしまうことがあります。これが「論理の飛躍」です。書き手の中では当たり前の前提でも、読者には伝わっていないことが原因です。ここでは、話のつながりが不自然な文章を、因果関係を丁寧につなぐことで、スムーズに理解できる文章へと改善する添削事例を紹介します。

Before:改善前の文章

以下の文章は、一見すると正しそうですが、論理のつながりに少し隙間があります。

近年、テレワークが多くの企業で普及した。その結果、地方に移住する人が増えている。

この文章を読んで、多くの人は意味を理解できるでしょう。しかし、厳密に考えると「テレワークが普及すること」と「地方移住者が増えること」の間には、いくつかのステップが省略されています。なぜテレワークの普及が地方移住に直結するのか、そのメカニズムが説明されていません。この省略された部分が、論理の飛躍点です。

After:改善後の文章

Beforeの文章で省略されていた、中間の論理(B)を補って、より丁寧な説明にしてみましょう。

近年、テレワークが多くの企業で普及し、働く場所を自由に選べる人が増えました(A: 原因)。その結果、毎日会社へ通勤する必要がなくなり、家賃の高い都心に住む必然性が低下しました(B1: 中間理由)。同時に、自然豊かな環境での生活や、より広い住居を求めて、都心よりも手頃な価格で住める地方に目を向ける人が現れました(B2: 中間理由)。こうした背景から、地方へ移住するという選択をする人が増えているのです(C: 結果)

このように、AとCの間にある「なぜなら」の部分を補足することで、誰が読んでも納得できる、スムーズな論理展開になりました。

添削のポイント解説

論理の飛躍は、無意識のうちに発生しがちです。それを防ぎ、修正するためには以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  • Point 1: 「なぜなら」で自問する
    「AだからCだ」という文を書いた後、必ず心の中で「それは、なぜなら…」と自問自答する癖をつけましょう。そこでスラスラと理由(B)を説明できなければ、そこが論理の飛躍点である可能性が高いです。その自問に対する答えを文章に加えるだけで、論理は格段に強固になります。
  • Point 2: 読者の知識レベルを想定する
    書き手にとっては常識であったり、自明の理であったりすることも、読者は知らないかもしれません。「これくらい書かなくても分かるだろう」という思い込みが、論理の飛躍を生む最大の原因です。常に「この分野に詳しくない人でも理解できるか?」という視点で文章を見直しましょう。
  • Point 3: 因果の連鎖を意識する
    物事は「A→B→C→D」のように、原因と結果が鎖のように連なって発生します。自分の文章が、この鎖の環を飛ばしていないか、一つひとつ確認する作業が重要です。途切れている部分があれば、そこを丁寧につなぎ直しましょう。

【事例3】情報が整理されていない文章の添削

伝えたい情報がたくさんあると、つい思いつくままに書き連ねてしまいがちです。しかし、情報の単なる羅列は読者を疲れさせ、内容の理解を妨げる原因になります。この章では、情報が散らかってしまった文章を、「並列」「対比」といった型を使ってグループ化し、構造的に整理する添削事例をご紹介します。情報の交通整理の技術を身につけましょう。

Before:改善前の文章

以下の文章は、読書のメリット・デメリットについて書かれていますが、情報が混在しており、構造が分かりにくい状態です。

読書には多くの良い点があります。まず語彙が増えますし、ストレス解消にも効果的だと言われています。一方で、デメリットとしては時間がかかることが挙げられます。また、読書をすると集中力も身につきます。人によっては目が疲れるという問題もあります。もちろん、様々な知識を得られることも大きなメリットです。

この文章では、メリットとデメリットの話が行ったり来たりしており、読者は頭の中で情報を整理し直さなければなりません。これでは、書き手の意図がスムーズに伝わりません。

After:改善後の文章

メリットとデメリットを明確にグループ分けし、先に構造を示すことで、格段に分かりやすくなります。

読書には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

まず、メリットとして主に以下の3点が挙げられます。第一に、様々なジャンルの本を読むことで、幅広い知識や語彙力が身につくことです。第二に、一つの物語やテーマに没頭することで、持続的な集中力が養われます。そして第三に、物語の世界に浸ることで、日常の悩みから解放され、ストレス解消につながる効果も期待できます。

一方、デメリットとしては2つの点が考えられます。一つは、まとまった読書時間を確保する必要があることです。もう一つは、長時間同じ姿勢で文字を追い続けることによる、目の疲れや肩こりといった身体的な負担です。

このように情報を整理するだけで、読者は落ち着いて内容を理解できるようになります。

添削のポイント解説

情報が整理されていない文章は、いくつかの簡単なルールを適用するだけで劇的に改善できます。以下の表に、そのポイントをまとめました。

添削ポイント解説
グルーピング性質が似ている情報(例:メリットとデメリット、原因と対策など)をひとまとめにします。情報を分類する作業です。
ラベリンググループ化した情報のかたまりに、「メリット」「デメリット」といった見出し(ラベル)をつけます。これにより、各ブロックの役割が明確になります。
構造の予告「メリットは3つあります。次にデメリットを2つ紹介します」のように、話の全体像や地図を先に提示します。読者は心の準備ができ、安心して読み進められます。
ナンバリング・箇条書き「第一に、第二に…」といったナンバリングや箇条書きを使うことで、情報の数や区切りが視覚的に分かりやすくなり、読者の負担を軽減します。

これらの技術は、文章だけでなく、プレゼンテーションや会話でも応用できる強力な整理術です。

良い文章と悪い文章を見分けるコツはありますか?

はい、あります。誰でもできる簡単な判別方法の一つに「各段落の要点を一文で言えるか?」を試す方法があります。論理的に構成された良い文章は、各段落に「主張」「理由」「具体例」「補足」といった明確な役割があり、その要点を簡潔な一文で要約できます。一方で、構成が弱い文章は、一つの段落に複数のテーマが混在していたり、結局その段落で何が言いたいのかが曖昧だったりするため、うまく要約できません。この「段落の要約テスト」は、他者の文章を評価するだけでなく、自分自身の文章を客観的に見直す自己添削のツールとしても非常に有効です。ぜひ試してみてください。

まとめ

今回は、具体的なビフォーアフター事例を通じて、論理構成を改善するための添削ポイントを解説しました。文章力は、練習と正しいフィードバックによって確実に向上させることができます。最後に、本記事の要点を振り返りましょう。

  • 論理構成の添削は、自分では気づきにくい「文章のクセ」や「論理の飛躍」を発見し、客観的な視点を養うために不可欠です。
  • 主張が曖昧な文章は、「結論を最初に述べる」「PREP法を活用する」ことで、意図が明確に伝わるようになります。
  • 話が飛躍する文章は、「なぜなら」と自問し、原因と結果の間にある「隠れた前提」を言語化して補うことで修正できます。
  • 情報が散らかった文章は、「グルーピング」と「ラベリング」で情報を整理し、対比や並列といった構造を用いると分かりやすくなります。
  • 自己添削でも「時間を置く」「音読する」「チェックリストを使う」といった工夫で、客観性を高めることが可能です。

余談ですが、文豪として知られるアーネスト・ヘミングウェイは、推敲を何度も何度も執拗に繰り返すことで有名でした。彼は「The Old Man and the Sea(老人と海)」の原稿を200回以上も読み返したと言われています。初稿は誰にとっても完璧なものではありません。傑作とは、「書く力」と同じくらい「削る力」や「直す力」によって生み出されるのです。文章の添削は決して恥ずかしいことではなく、より良いものを生み出すための創造的なプロセスの一部なのです。

アワードのコンテンツ制作

アワードでは各種コンテンツ制作をお受けしております。

●企業の広報に関連するコンテンツ制作
●教育広報に関連する取材・執筆(中高・大学案内など)
●各種媒体の取材・執筆(導入事例・採用サイトなど)

○中小規模企業のWEBマーケティング
○ホワイトペーパーの企画制作
○パンフレットやカタログの企画構成

LOGICAL CORRECTION
最新情報をチェックしよう!
>サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

CTR IMG