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MEMO PLAN

メモから企画書へ:思考を文章に落とし込む論理構成法

アイデアのメモはたくさんあるのに、いざ企画書にまとめようとすると手が止まる…。そんな経験はありませんか?この記事では、雑多な思考の断片を、読み手を納得させる論理的な文章へと昇華させる具体的なステップを解説します。思考の整理から構成の組み立て、文章化まで、メモを最強の武器に変える技術を学びましょう。あなたのアイデアが、きちんと伝わる形になります。

なぜメモは企画書にならないのか?

多くの人が「メモ」と「企画書」を地続きのものだと考えがちですが、実は両者の間には大きな隔たりがあります。メモはアイデアの断片であり、思考の自由な発散を目的としています。一方、企画書は他者を説得し、行動を促すための構造化された論理的な文書です。この本質的な違いを理解しないまま書き進めようとすると、情報が散乱し、結局何も伝わらない文章になってしまいます。まずはそのギャップを認識することが第一歩です。

思考の断片と論理的な文章の違い

メモが「思考の断片」であるのに対し、企画書は「論理的な文章」です。これを料理に例えるなら、メモは冷蔵庫に散らばる様々な食材(点)であり、企画書はそれらの食材を使い、レシピ(論理)に沿って作られた一皿の料理(線)と言えます。例えば、「新商品を開発する」「若者向け」「SNSで宣伝」といったメモは、それぞれが独立したアイデアの点です。これらを「若者をターゲットにした新商品を開発し、その認知度向上のためにSNSを活用したプロモーションを実施する」とつなげることで、初めて論理的な線、つまり文章として意味を成すのです。この「点」を「線」に変換する作業こそが、論理構成の本質と言えるでしょう。

企画書に求められる3つの基本要素

説得力のある企画書には、例外なく3つの基本要素が含まれています。それは、「目的(Why)」「結論・提案(What)」「根拠・方法(How)」です。なぜこの企画が必要なのか(目的)、具体的に何をするべきなのか(結論・提案)、そして、なぜそれが成功すると言えるのか、どうやって実行するのか(根拠・方法)。この3つが明確かつ論理的に結びついている必要があります。メモ段階ではこれらの要素が混在していたり、どれかが欠けていたりすることがほとんどです。企画書を作成する際は、自分のメモがこの3つの要素を網羅しているかを確認し、不足している部分を補いながら構造を組み立てていく意識が重要になります。

メモ段階でよくある落とし穴

メモをそのまま文章化しようとすると、いくつかの典型的な落とし穴にはまります。最も多いのが「思考の時系列で書いてしまう」ことです。思いついた順番に書き連ねるため、話があちこちに飛び、読み手は何が重要なのかを理解できません。また、「背景説明が長すぎる」のもよくある失敗です。企画の前提となる情報をすべて伝えようとするあまり、肝心の提案にたどり着く前に読み手が疲れてしまいます。他にも、データや事実の裏付けがない「主観的な思い込み」だけで構成されていたり、実現可能性の低い「理想論」に終始してしまったりするケースも少なくありません。これらの落とし穴を避けるには、一度メモを客観的に見つめ直し、情報を整理・選択するステップが不可欠です。

良い企画書は、書く前に構成が9割決まっています。書きながら考えるのではなく、考えるために整理し、整理したものを書くという順番を徹底しましょう。

ステップ1:メモを「材料」として仕分ける

企画書づくりは、まず散らばったメモを「材料」として認識し、適切に仕分けることから始まります。この工程を丁寧に行うことで、後の構成作りが驚くほどスムーズになります。いきなり文章を書き始めるのではなく、まずは集めた情報を客観的に眺め、グループ分けをしたり、関係性を可視化したりすることに時間を使いましょう。この地道な作業が、論理の基盤を強固にし、説得力のある企画書を生み出すための土台となるのです。

マインドマップで思考を可視化する

頭の中が整理できないときは、マインドマップを使って思考を「見える化」するのが効果的です。まず、紙やツールの中心に企画のメインテーマ(例:「新商品Aの販促企画」)を置きます。そこから放射状に、関連するキーワードやアイデアを自由につなげていきましょう。「ターゲット」「コンセプト」「課題」「解決策」「予算」など、思いつくままに枝を伸ばしていきます。この作業の目的は、綺麗な図を作ることではありません。頭の中にある情報をすべて吐き出し、それぞれの関係性を視覚的に捉えることにあります。マインドマップを作成することで、アイデア同士の意外なつながりを発見したり、思考の偏りや情報が不足している部分に気づいたりすることができます。

「What-Why-How」で情報をグルーピング

マインドマップなどで情報を出し切ったら、次はそれらを「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どうやって)」の3つの観点でグルーピングします。これは、企画書の基本要素に対応させるための重要な仕分け作業です。

  • What(何を):企画の結論や具体的な提案内容に関するメモ。「新アプリを開発する」「キャンペーンを実施する」など。
  • Why(なぜ):企画の目的、背景、必要性、課題に関するメモ。「若者の利用者が減少している」「競合他社が新サービスを開始した」など。
  • How(どうやって):具体的な実行方法、スケジュール、予算、体制に関するメモ。「開発は外部委託」「プロモーション費用は100万円」など。

このように分類することで、漠然としていたメモの集合体が、企画書の骨格を形成するための意味あるブロックへと変わります。

【FAQ】メモが少なすぎる場合はどうすればいい?

アイデアはあるものの、メモの量が絶対的に少なく、企画書にするには材料不足だと感じることもあるでしょう。その場合は、一度立ち止まって情報収集や思考を深めるフェーズに戻るのが賢明です。無理に少ない情報で書き進めても、根拠の薄い説得力のない文章になってしまいます。情報を増やすには、「5W1H(When, Where, Who, What, Why, How)」を使って自問自答するのが効果的です。例えば、「誰が(Who)一番喜ぶのか?」「なぜ(Why)今やる必要があるのか?」「いつ(When)までに実現すべきか?」と問いを立てることで、これまで見えていなかった視点や、補強すべき情報が明確になります。足りないと感じたら、焦らずにリサーチやブレインストーミングの時間を確保しましょう。

ステップ2:構成の「骨格」を組み立てる

材料の仕分けが完了したら、次はいよいよ企画書全体の設計図、つまり「骨格」を組み立てるステップです。ここで論理的な流れを確定させることが、手戻りを防ぎ、一貫性のある文章を書くための鍵となります。多くの人が苦手とするこの工程ですが、いくつかのフレームワークを知っていれば、誰でも強固な骨格を作ることが可能です。いきなり文章を書き始めるのではなく、まずは見出しの構成案を作ることに集中しましょう。この骨格がしっかりしていれば、執筆はパズルを埋めるような作業になります。

結論(ゴール)から逆算して構成を考える

優れた企画書は、常に「結論」から構成が考えられています。この企画を通して、読み手に何を伝え、最終的にどうしてほしいのか(承認してほしい、協力してほしいなど)というゴールを最初に明確に設定します。そして、そのゴールを達成するために、どのような情報をどのような順番で提示すれば最も説得力が高まるかを逆算して考えるのです。例えば、ゴールが「新プロジェクトの予算承認」であれば、構成は「①結論:新プロジェクトを提案します → ②理由:なぜなら市場にこのような機会があるからです → ③具体策:プロジェクトはこのように進めます → ④効果:成功すればこれだけの利益が見込めます」といった流れになります。この逆算思考が、話の脱線を防ぎ、常にゴールに向かって最短距離で進む文章を可能にします。

ピラミッドストラクチャーで主張と根拠を整理する

ピラミッドストラクチャーは、論理構成を視覚的に整理するための強力なツールです。頂点に企画全体の「メインメッセージ(結論)」を置きます。その一段下には、メインメッセージを支える複数の「キーメッセージ(主要な根拠や理由)」を配置します。そしてさらにその下に、各キーメッセージを具体的に裏付ける「サブメッセージ(データや事実、事例)」を並べていきます。

階層内容
頂点(メインメッセージ)A事業への投資を決定すべきだ。
第二階層(キーメッセージ)1. 市場が成長しているから。 2. 競合優位性があるから。 3. 高い収益性が見込めるから。
第三階層(サブメッセージ)1-1. 市場規模の推移データ。 2-1. 競合との機能比較表。 3-1. 収益シミュレーション。

このように構造化することで、主張と根拠の関係が一目瞭然となり、論理の抜けや漏れを防ぐことができます。

各セクションの「問い」と「答え」を明確にする

骨格を作る際、各セクション(見出し)が「読み手のどんな疑問に答えるためのものか」を意識すると、構成がよりシャープになります。例えば、「現状の課題」というセクションは、「私たちの組織は今、どんな問題に直面しているのか?」という問いへの答えです。「具体的な解決策」というセクションは、「その問題をどうすれば解決できるのか?」という問いへの答えになります。このように、構成案の各見出しを「問い」の形に変換してみるのも一つの手です。そうすることで、そのセクションで書くべき内容が明確になり、読み手の知りたい情報に的確に応える構成を作ることができます。すべてのセクションが「問い→答え」のセットで成り立っている企画書は、非常に分かりやすく、読み手を迷わせることがありません。

ステップ3:「肉付け」して文章を完成させる

強固な骨格が組み上がれば、企画書作成は最終段階に入ります。ここからは、設計図に沿ってコンクリートを流し込むように、具体的な文章で「肉付け」していく作業です。このステップで重要なのは、決して骨格から逸脱しないこと。そして、自己満足の文章ではなく、常に「読み手」を意識して、分かりやすさと説得力を追求することです。骨格作りまでが思考のフェーズだとすれば、ここからは表現のフェーズ。一つひとつの言葉を丁寧に選び、伝わる文章を紡いでいきましょう。

一文一義でシンプルに書く

論理的な文章を書くための基本原則は「一文一義」、つまり「一つの文には一つのメッセージだけを込める」ことです。あれもこれもと情報を詰め込んだ長い一文は、主語と述語の関係が曖昧になり、読み手を混乱させる原因になります。例えば、「市場が拡大しており、弊社の技術力は高い評価を受けているため、新商品を投入すれば大きなシェアを獲得できる可能性があると考えられます」という文。これは、「①市場が拡大している」「②弊社の技術力は評価が高い」「③だから新商品を投入すべきだ」「④そうすればシェアを獲得できる」という複数の情報が混在しています。これを「市場は拡大傾向にあります。弊社の技術力も高く評価されています。そこで、新商品を投入することを提案します。これにより、大きなシェア獲得が期待できます。」と分けるだけで、格段に分かりやすくなります。シンプルに書く勇気が、論理性を高めます。

【FAQ】書いている途中で話がズレてしまいます。どうすれば?

これは多くの人が経験する悩みですが、原因ははっきりしています。それは、ステップ2で作成した「骨格(構成案)」から意識が離れてしまっているからです。書き始めると、次から次へと言いたいことが浮かんできて、つい横道に逸れてしまうのです。対策は非常にシンプルで、「常に骨格に立ち返る」ことです。今書いているこの段落が、構成案のどの部分に対応しているのか、どの「問い」に答えるための文章なのかを絶えず確認しましょう。

見出しだけを並べたアウトラインを常に画面の横に表示しておくのも良い方法です。もしズレに気づいたら、一度筆を止め、その文章が本当に必要か、骨格に沿っているかを冷静に判断してください。寄り道したくなったアイデアは、別のメモに残しておき、まずは本筋を完成させることに集中するのが得策です。

読み手の視点で推敲するポイント

文章を書き終えたら、必ず「読み手」の視点で推敲(すいこう)する時間を取りましょう。書き手である自分は、背景知識も文脈もすべて理解しているため、文章の分かりにくさに気づきにくいものです。一度、自分を「この企画について何も知らない他人」だと仮定して、客観的に読み返してみてください。
以下のポイントをチェックすると良いでしょう。

  • 専門用語や社内用語を多用していないか?:誰が読んでも分かる平易な言葉に置き換える。
  • 主張に客観的な根拠(データや事実)はあるか?:「思う」「感じる」といった主観的な表現を避ける。
  • 文章のつながりはスムーズか?:接続詞は適切か、段落間の流れは自然かを確認する。
  • 誤字脱字はないか?:基本的なことですが、信頼性を大きく損なう要因になります。

時間を置いてから読み返す、声に出して読んでみる、といった工夫も、客観的な視点を取り戻すのに役立ちます。

まとめ

頭の中の漠然としたメモを、人を動かす企画書に変えるためには、感覚的に書き始めるのではなく、論理的なステップを踏むことが不可欠です。本記事で解説したプロセスを実践すれば、誰でも思考を整理し、説得力のある文章を組み立てることができます。

  • ステップ1:メモの仕分け
    思考の断片であるメモを「材料」と捉え、マインドマップで可視化し、「What-Why-How」で分類・整理します。
  • ステップ2:骨格の組み立て
    結論から逆算して構成を考え、ピラミッドストラクチャーを用いて「主張」と「根拠」からなる論理の設計図を作ります。
  • ステップ3:文章の肉付けと推敲
    骨格に沿って一文一義を心がけて書き進め、最後に必ず読み手の視点で客観的に見直すことで、文章の完成度を高めます。

この3つのステップを意識するだけで、あなたのアイデアはより力強く、正確に伝わるようになるはずです。

余談ですが、天才と称されるレオナルド・ダ・ヴィンチは、生涯にわたって膨大な量のメモやスケッチをノートに残していたことで有名です。その内容は、解剖学、天文学、建築、絵画など多岐にわたり、まさに思考の断片そのものでした。しかし、彼はそれらのメモを単なる記録で終わらせず、互いに関連付け、考察を深めることで、時代を遥かに先取りする発明や、後世に残る芸術作品を生み出す「設計図」へと昇華させました。私たちの企画書作りも、このダ・ヴィンチのプロセスと似ているのかもしれません。価値あるアウトプットは、良質なメモとその論理的な再構築から生まれるのです。

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「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

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