顧客提供価値とは

顧客提供価値を再構築する方法:バリュープロポジション

顧客提供価値とは
顧客提供価値の再構築で企業の体質も変化させる

はじめに

顧客に対して自社商品が提供できる価値を顧客提供価値といいます。顧客提供価値が高いほど、商品の価格を高く設定できたり、顧客のファン度合いを高めたりする効果が期待できます。顧客提供価値は常に一定のものではなく、顧客や市場の変化によって相対的に変化するものです。顧客提供価値を見直し、さらに高めていくための戦略についてくわしく解説します。

自社の価値提供を再構築する

自社の価値提供を見直し、その提供価値を再構築する際には、バリュー・プロポジションの考え方を活用します。バリュー・プロポジションとは、日本語にすると「価値提案」という意味です。マーケティング戦略の概念としては「顧客のニーズに対して、自社の強みを生かして提供できる価値」と捉えます。バリュー・プロポジションを活用するためには。次の3ステップで取り組みます。

  1. 未解決の顧客のニーズを把握する
  2. 自社や自分が提供できる価値を定義する
  3. 既存の商品や、他の代替手段でまだ解決されていない領域を見つけ出す

この3ステップをもとに、自社商品の提供を通じて顧客のうれしいことを増やし、逆に嫌なことを減らしていくアプローチを考えるのがバリュー・プロポジションです。

戦略と実行のギャップを再整理する

顧客提供価値を見直すべきタイミングの一つが、新規市場への参入の検討時期です。売上を伸ばしている企業が陥りがちな失敗として、成長分野だという理由だけでその市場への参入を決め、結果として戦略と実行のギャップが生じ、思ったような成果にならないケースがあります。この失敗の背景には、企業全体の本来の能力とは異なる分野に事業拡大を狙ったため、実行プロセスと戦略のズレが悪化していくという事情があります。自社の強みやその提供価値を活かせる企業のアイデンティティに沿った方向性でなければ、いくら戦略を練っても現場のアクションプランが追いつかないのです。

戦略を日常業務に取り入れる

顧客提供価値を高めるには、実行できる戦略が必要です。戦略の実現を効率よく行うためには、日常業務の中にその戦略を取り入れるべきでしょう。たとえば、見込み客を増やす目的のために自社のオウンドメディアの運用を行う場合、そのマーケティング戦略を実行するためには、日々のパフォーマンス測定や改善に向けた洞察が不可欠です。データ収集や改善に向けた思考は、会議のときだけといった限定された場ではなく、日常業務の中に組み込んでこそ効果を発揮します。したがって、顧客提供価値を高めるためには、日常業務の中にその戦略をどうタスクとして入れ込むかを検討すべきです。

自社の組織文化を活用する

企業内の統率や管理システムとして、自社の組織文化は大きな役割を果たしています。会社がどんな戦略を選び、実行していくのかという根幹部分において、会社のメンバーが組織文化を理解しているかどうかで現場のパフォーマンスが変わります。組織文化は、従業員間の労働意欲や責任感を促進させる効果があります。そのため、組織の意思決定スピードも早くなり、人材の定着率も高まるため、提供できるサービスのクオリティを向上させる効果が期待できます。結果、顧客提供価値の向上にもつながります。

成長するコスト感覚を持つ

顧客提供価値を向上させるためには、サービスの質を高めるだけではなく、コスト意識も成長させていく必要があります。現代の社会は変化が激しく、期初に立てた年度予算を年度早々に見直さなくては現実と乖離していくといった事象も十分起こりえます。たとえば、KDDIであれば、月単位で収益計画を策定し、部署ごとに月に一度程度の割合で達成度合いを確認して行動計画を修正するという取り組みを行っています。コストに対してシビアな感覚を持つことで、アクションプランの改善が容易になり、より多くの利益が得られます。そうすれば、顧客提供価値を高めるための施策にも利益分を投資しやすくなり、結果としてより価値の高い商品・サービスを提供できるようになります。

バリュー・プロボジション・キャンパスに落とし込む

バリュー・プロポジションのかん変え方に基づき、自社の商品やサービスと顧客のニーズとのずれを解消するためのフレームワークがバリュー・プロポジション・キャンバス(Value Proposition Canvas)です。このフレームワークは、Strategyzer創設者であるアレックス・オスターワルダーにより2015年の著作、『バリュー・プロポジション・デザイン』で提唱されたものです。

バリュー・プロポジション・キャンバスの作り方は次の3ステップで行います。

  1. 誰(顧客セグメント)に何(顧客への提供価値)を提供するかを簡潔に書く
  2. 顧客のニーズ(顧客が解決したい課題・利得・悩み)を書く
  3. 顧客に対して提供できる価値を書く

3つ目の提供価値は、「製品とサービス」「顧客の利得をもたらすもの 」「顧客の悩みを取り除くもの」の3項目で構成されます。これらを可視化することで、自社の提供価値をあらためて見直し、今後の戦略に役立てることができます。

まとめ

顧客提供価値を見直すためのバリュー・プロポジションの概念について、ポイントをまとめると以下のとおりです。

  • バリュー・プロポジションとは、「顧客のニーズに対して、自社の強みを生かして提供できる価値」のことを指す
  • 顧客提供価値を高めるためには、日常業務への戦略の導入や組織文化の活用、コスト意識の成長などの要素をうまく実施するとよい
  • 顧客提供価値の内容を可視化するためには、バリュー・プロポジション・キャンバスのフレームワークを用いると便利である

顧客提供価値を見直し、より高めていく施策を取り入れると、自社のマーケティング戦略をよりブラッシュアップできます。ぜひ今回の記事を参考に、顧客提供価値の可視化と改善に取り組んでみてください。

>サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。

大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

CTR IMG