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LOGICAL WRITING

ロジカルに書ける人は何を意識しているのか?

「なぜあの人の文章はスッと頭に入るのだろう?」そう感じたことはありませんか。ロジカルに書ける人は、特別な才能があるわけではなく、特定の「意識」を持って文章を組み立てています。

この記事では、彼らが共通して持つ「読者への配慮」「構造的な思考」「客観性の担保」「スムーズな接続」という4つの秘訣を、初心者にも分かりやすく解説します。

この思考法を身につければ、あなたの文章も格段に伝わりやすくなるはずです。

読者の存在を常に意識する

ロジカルな文章の根底にあるのは、「誰に、何を伝えたいか」という徹底した読者視点です。自分の書きたいことを一方的に書き連ねるのではなく、常に読者の顔を思い浮かべ、その人が持つ知識や疑問を想定しながら書くことが基本となります。

文章は、書き手が読み手に手渡す「思考の地図」。その地図が独りよがりなものでは、読み手は目的地にたどり着けずに迷子になってしまいます。ロジカルな書き手は、この地図を丁寧につくる案内人なのです。

ターゲット読者を具体的に設定する

ロジカルに書ける人は、文章を届ける相手を漠然とした「世の中の人」とは考えません。「このテーマについて、どのくらいの知識を持っている人か」「どんな言葉なら理解しやすいか」「何に悩んでいるのか」といった具体的な人物像(ペルソナ)を設定します。

例えば、「社会人2年目で、報告書の書き方に悩んでいる人」と設定するだけで、使うべき言葉や盛り込むべき具体例が明確になります。

読者を絞ることで、文章の焦点が定まり、結果として多くの人にとって「自分ごと」として読みやすい、説得力のある内容になるのです。

読者の知識レベルを想定する

専門用語や業界の常識を、説明なしで使ってしまうのはよくある失敗です。ロジカルな書き手は、読者が自分と同じ知識レベルにあるとは考えません。常に「この言葉は伝わるだろうか?」「この背景説明は必要だろうか?」と自問自答します。例えば、マーケティングの初学者に「KPI」という言葉を使うなら、「目標達成の度合いを測るための重要な指標のことです」といった補足説明を加える配慮をします。このように、読者の知識レベルに寄り添い、言葉の橋渡しをすることで、論理の途切れを防ぎ、スムーズな理解を促すことができます。

読者が抱くであろう「なぜ?」に先回りする

優れた文章は、読者が疑問を感じる前に、その答えが用意されています。ロジカルに書ける人は、自分の主張に対して「なぜそう言えるの?」「本当にそうなの?」といった、読者が抱くであろう反論や疑問を予測し、先回りして回答を用意します。

例えば、「Aが重要です」と書いたら、すかさず「なぜならBというデータがあるからです」と根拠を示す。この「主張」と「根拠」のセットを繰り返すことで、読者は納得しながら読み進めることができます。

常に読者の「なぜ?」を意識し、その問いに答えていく姿勢が、論理的な信頼感を生むのです。

文章を「部品」と「設計図」で捉える

感覚やひらめきに頼って書き始めると、話があちこちに飛んだり、結論がブレたりしがちです。

ロジカルに書ける人は、文章全体を一つの建築物のように捉えています。まず、どんな家を建てるかという「設計図(構成)」を考え、その設計図に沿って「柱(主張)」を立て、「壁(根拠や具体例)」を組み立てていきます。

一つひとつの文や段落は、家を構成する「部品」。この構造的な視点を持つことで、行き当たりばったりではない、揺るぎない論理の土台を築くことができるのです。

書く前に「結論」と「根拠」をセットで用意する

いきなり本文を書き始めるのではなく、まず「この記事で最も伝えたい結論は何か?」を一行で書き出します。次に、その結論を支えるための「根拠」や「理由」を3つほど箇条書きにします。

この「結論+根拠のセット」が、文章全体の背骨となります。この作業をしておくだけで、執筆中に論点がズレるのを防ぎ、話の脱線を防ぐことができます。

結論:健康のためには、朝の散歩が効果的だ。

  • 根拠1:セロトニンの分泌を促し、精神を安定させるから。
  • 根拠2:体内時計がリセットされ、生活リズムが整うから。
  • 根拠3:適度な運動が、血行促進と筋力維持につながるから。

このように、書く前に骨子を固めることが、論理的な文章への第一歩です。

全体の構成(骨格)を先に決める

「結論と根拠」のセットができたら、次はその情報をどの順番で読者に提示するか、全体の構成(アウトライン)を決めます。ビジネスシーンでよく使われる「PREP法(結論→理由→具体例→再結論)」などが代表的な型です。

  • P (Point): 結論「朝の散歩は健康に良い」
  • R (Reason): 理由「なぜなら、心と体の両面に良い影響があるからです」
  • E (Example): 具体例「セロトニン分泌、体内時計リセットなど…」
  • P (Point): 再結論「以上の理由から、朝の散歩を習慣にしましょう」

このように、最初に文章の骨格となる「型」を決めておくことで、各パーツに情報を流し込むだけで、論理的に整った文章を効率的に作成できます。設計図があるからこそ、迷わず部品を組み立てられるのです。

一文一義(1つの文に1つの情報)を徹底する

ロジカルな文章は、一つひとつの文がシンプルで明快です。その秘訣は「一文一義」、つまり1つの文には1つの情報だけを盛り込むという原則を守ることにあります。

読点(、)で長々とつないだ文は、主語と述語の関係が曖昧になったり、情報が詰め込まれすぎて理解しにくくなったりします。


悪い例:健康のために朝の散歩が良いのは、セロトニンが出て精神が安定するし、体内時計もリセットされるので、ぜひ習慣にすると生活リズムも整います。
良い例:健康のために朝の散歩をおすすめします。朝の光を浴びることで、精神を安定させるセロトニンが分泌されるからです。また、体内時計がリセットされ、生活リズムが整う効果も期待できます。

このように文を短く切ることで、それぞれの情報が明確になり、結果として文章全体の論理がクリアになります。

客観的な視点を持ち込む技術

自分の意見や感想ばかりを述べていては、それは「日記」や「エッセイ」であり、ロジカルな文章とは言えません。説得力のある文章には、必ず客観的な視点が盛り込まれています。

ロジカルに書ける人は、自分の主張を補強するために、事実・データ・権威ある引用などを巧みに使い分けます。自分の「主観」と、誰が見ても変わらない「客観」を意識的に区別し、それらをバランス良く配置することで、文章に信頼性と深みを与えているのです。

事実と意見を明確に区別する

ロジカルな思考の基本は、「事実」と「意見(解釈)」を切り分けることです。「事実」とは、誰がどう見ても変わらない客観的な情報(例:昨日の気温は30度だった)。「意見」とは、その事実に対する個人の考えや感情(例:昨日は暑くて大変だった)です。

ロジカルな書き手は、この二つを混同しません。文章を書く際には、自分の主張が「意見」なのか、それを裏付ける「事実」なのかを常に意識します。

分類具体例
事実この商品の顧客満足度は95%です。
意見この商品は素晴らしいに違いありません。

このように両者を区別し、意見を述べるときには必ず事実を根拠として添えることで、主張に説得力が生まれます。

「なぜなら」で根拠を示す癖をつける

自分の意見を述べたら、反射的に「なぜなら…」と心の中で付け加えて、その根拠を探す習慣をつけましょう。この「なぜなら思考」は、主張と根拠をセットで考えるトレーニングになります。

「このプランが最適です」と主張するだけでは、ただの思い込みです。そこに「なぜなら、三つの案の中で最もコストを抑えられ、かつ効果が見込めるからです」と根拠を添えることで、初めて論理的な提案になります。

根拠には、前述した「事実」や「データ」を用いるのが効果的です。この小さな習慣が、文章全体の論理性を飛躍的に高めてくれます。

ロジカルに書くために、特別な才能は必要ですか?

結論から言うと、特別な才能は全く必要ありません。ロジカルなライティングは、スポーツや楽器の演奏と同じで、正しい「型」を学び、繰り返し練習することで誰でも習得できる「技術」です。

多くの人が「自分には文才がない」と感じるのは、才能がないからではなく、単に論理的な文章の組み立て方を知らないだけなのです。この記事で紹介している「読者意識」や「構造化思考」、「PREP法」といった具体的なフレームワークは、まさにそのための「型」です。最初はぎこちなくても、意識して使い続けることで、徐々に無意識にできるようになります。

才能を嘆く前に、まずは一つでも良いので、具体的な技術として試してみてください。

文章の「流れ」を整える接続の意識

一つひとつの文や段落が正しくても、それらの「つなぎ目」がスムーズでなければ、読み手は論理の流れを見失ってしまいます。ロジカルに書ける人は、文と文、段落と段落の関係性を常に意識しています。

それはまるで、電車の車両を正しく連結させるような作業です。適切な「接続詞」という連結器を使ったり、主語と述語の関係を明確にしたりすることで、文章全体の流れを整え、読者を迷わせることなく結論までスムーズに導いていくのです。

接続詞を「論理の標識」として使う

接続詞は、単に文をつなぐための飾りではありません。文章の論理的な方向性を示す「道路標識」のような重要な役割を持っています。ロジカルな書き手は、接続詞を効果的に使い分け、文と文の関係性を明確にします。

  • 順接(だから、したがって):原因→結果の流れを示す
  • 逆接(しかし、だが):予想と反する展開を示す
  • 補足(ちなみに、なお):情報を付け加える
  • 並列(また、および):同列の情報を並べる

これらの標識を適切に設置することで、読者は「次にどんな話が来るか」を予測しながら読み進めることができ、ストレスなく内容を理解できます。ただし、多用しすぎるとくどくなるため、本当に必要な箇所で見極めて使うのがポイントです。

主語と述語のねじれを防ぐ

文章が長くなると起こりがちなのが、「主語」と「述語」の関係がねじれてしまう現象です。これは「誰が・何が(主語)」と「どうした(述語)」がかみ合っていない状態で、論理が破綻する大きな原因になります。

悪い例:私の夢は、医者になって多くの人を助けることです。
この文の主語は「私の夢は」で、述語は「ことです」となり、「夢=こと」という奇妙な構造になっています。

良い例:私の夢は、医者になることです。そして、多くの人を助けたいです。このように文を分けるか、私の夢は、医者になって多くの人を助けることだ。のように構成を整えることで、ねじれは解消されます。

ロジカルな書き手は、常に主語と述語の対応関係に注意を払い、文の構造的な安定を保っています。

毎日どんな練習をすればロジカルに書けるようになりますか?

毎日少しずつでも続けられる、効果的な練習方法がいくつかあります。いきなり長文を書く必要はありません。まずは以下のトレーニングから試してみてください。

  • 3行要約トレーニング:ニュース記事や読んだ本の内容を「誰が」「何を」「どうした」のポイントを押さえて3行で要約します。情報を取捨選択し、要点をまとめる力が養われます。
  • PREP法で日記を書く:今日の出来事や感じたことを、PREP法(結論→理由→具体例→結論)の型に当てはめて数行で書いてみます。結論から話す思考の癖がつきます。
  • 他人の文章の構成分析:分かりやすいと感じたコラムやブログ記事の「構成(アウトライン)」を書き出してみます。なぜ分かりやすいのか、その構造を客観的に分析することで、良い文章の設計図を学べます。

これらの練習は、思考の筋トレのようなものです。毎日5分でも続けることで、頭の中に論理の回路が着実に形成されていきます。

まとめ

ロジカルに書ける人が何を意識しているのか、その思考の裏側を4つの視点から解説しました。特別な才能ではなく、後から身につけられる「技術」と「意識」であることがお分かりいただけたかと思います。最後に、本記事の要点を再確認しましょう。

  • 読者意識:常に読み手の存在を想定し、その知識レベルや疑問に寄り添う。
  • 構造的思考:文章を設計図と部品で捉え、書く前に結論と骨格を決める。
  • 客観性の担保:事実と意見を区別し、主張には必ず客観的な根拠を添える。
  • 接続への配慮:接続詞や文の構造を意識し、文章の流れをスムーズに整える。

これらの意識を一つでも取り入れるだけで、あなたの文章は驚くほど「伝わる」ものに変わっていくはずです。ぜひ、日々の文章作成で実践してみてください。

余談ですが、私たちが当たり前に使っている「ロジック(論理)」の考え方の源流は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスに遡ると言われています。彼は、正しい思考の筋道や、説得力のある議論の形式を体系化した「論理学」の祖とされています。

彼が編み出した三段論法などは、2000年以上経った現代のプレゼンテーションや論文でもその基本構造が活かされています。つまり、ロジカルに書く技術とは、人類が長い年月をかけて培ってきた「知のバトン」を受け継ぐことでもあるのです。

そう考えると、少し壮大な気持ちになりませんか。

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「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

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