はじめに
「社長インタビューを社内で書くことになったけれど、何から手をつければいいのかわからない」「文字起こしはできたのに、なぜか読みにくい記事になってしまう」。広報・マーケティングの現場で、こうした声をよく耳にします。
インタビュー記事の出来は、文章力より先に「構成」で決まります。話をどの順番で並べるか、どこで読者の関心をつかむか、読み終えた人に何を持ち帰ってもらうか。この設計図がないまま書き始めると、話し手の言葉を時系列でなぞるだけの記事になりがちです。
本記事では、大学広報・企業PR・採用広報の取材記事を数多く手がけてきたAWORDINC(株式会社アワード)が、インタビュー記事の構成の作り方を基本の型から解説します。自社で書く場合と制作会社に任せる場合の使い分けも紹介しますので、社内の体制づくりにお役立てください。
インタビュー記事の構成を作る前に決めること
「誰に、何を持ち帰ってもらうか」を一文で書く
構成に取りかかる前に、まず記事の目的を一文で言い切ってみてください。たとえば採用広報なら「就職活動中の学生に、入社3年目の社員の成長実感を通じて『ここなら自分も成長できそうだ』と感じてもらう」といった具合です。
この一文が、あとで話の取捨選択をするときの判断基準になります。取材では興味深い話がたくさん出てきますが、目的に沿わないエピソードは、どれほど面白くても思い切って削る。その決断ができるかどうかが、読みやすい記事とそうでない記事の分かれ目です。
記事の形式を選ぶ
インタビュー記事には主に3つの形式があります。
- 一問一答形式:質問と回答を交互に並べる形式。臨場感があり、話し手の人柄が伝わりやすい
- 地の文形式:書き手が話を再構成し、要所で発言を引用する形式。論点を整理しやすく、ストーリー性を出しやすい
- 対談・座談会形式:複数の話し手の掛け合いで構成する形式。多様な視点を一度に見せられる
経営者の思想やビジョンを深く伝えたいなら地の文形式、社員の素顔や職場の雰囲気を見せたいなら一問一答形式が向いています。目的に合わせて選びましょう。
取材前に「仮構成」を作っておく
プロの取材ライターは、取材の前に仮の構成案を作っています。記事のゴールから逆算して「この順番でこういう話が聞ければ記事になる」という骨組みを描き、それをもとに質問を準備するのです。仮構成は取材中の話の流れに応じて柔軟に変えて構いません。大切なのは、取材を「何となく話を聞く場」にしないことです。
インタビュー記事の基本構成の型
インタビュー記事は、次の5つのパートで組み立てるのが基本です。
| パート | 役割 | 目安の分量(3000字の記事の場合) |
|---|---|---|
| タイトル | 読むかどうかを決めてもらう | 30字前後 |
| リード文 | 記事の価値を伝え、本文へ導く | 150〜250字 |
| 本文 | 話の核心を、見出しごとに展開する | 2200〜2500字 |
| 締め | 未来の展望と読後感をつくる | 200〜300字 |
| プロフィール | 話し手の信頼性を補う | 100字前後 |
本文はさらに、3〜4本の小見出しで区切ります。おすすめの並びは「現在の取り組み(結論)→そこに至った理由・原体験→具体的なエピソード→これからの展望」です。
時系列で「生い立ち→入社→現在」と並べたくなりますが、冒頭から昔話が続くと、読者は「結局何の話なのか」がわからないまま離脱してしまいます。まず「今、この人は何をしていて、なぜ注目すべきなのか」を示し、そのうえで過去にさかのぼる。この順番を意識するだけで、記事の読みやすさは大きく変わります。
各パートの書き方
タイトル:話し手の「一番強い言葉」を拾う
タイトルには、取材中に出てきた印象的な一言を活かすのが効果的です。「〇〇株式会社 代表インタビュー」のような説明的なタイトルより、「失敗の数だけ、提案は強くなる」のように話し手の言葉が立っているほうが、読者の目に留まります。Web記事の場合は、検索されやすいキーワードをサブタイトルや後半に含めると、SEOとの両立がしやすくなります。
リード文:3つの要素で読者を引き込む
リード文には「誰が」「何をしているのか」「この記事で何がわかるのか」の3要素を入れます。話し手の肩書きを並べるだけでなく、読者が「自分に関係がある」と感じられる切り口を示すのがポイントです。リードで記事の価値が伝わらなければ、本文は読まれません。
本文:発言を「素材」として編集する
本文を書くときに最も大切なのは、文字起こしをそのまま並べないことです。話し言葉には重複や脱線、主語の省略が多く、そのままでは読みにくくなります。
プロは発言を「素材」として扱い、次のような編集を加えます。
- 同じ趣旨の発言は一か所にまとめる
- 話の順番を、構成に合わせて入れ替える
- 口癖や言いよどみを整えつつ、話し手らしい語尾やリズムは残す
- 抽象的な話には、取材で聞いた具体的な数字やエピソードを添える
ただし、話し手の意図を変えてしまう編集は禁物です。言葉を整えることと、言っていないことを書くことは違います。ここは原稿確認の段階で必ず本人にチェックしてもらいましょう。
小見出し:それだけで流れがわかるように
小見出しは、読み飛ばす読者のための「目次」でもあります。「きっかけ」「現在の取り組み」のような抽象的な言葉ではなく、「営業時代の挫折が、今の仕組みづくりの原点」のように、見出しだけで話の要点が伝わる表現を心がけてください。小見出しを並べて読んだときにストーリーがつながっていれば、構成はうまくいっています。
締め:未来の話と読者へのメッセージで終える
記事の最後は、話し手の今後の展望や、読者へのメッセージで締めくくるのが定番です。採用広報なら「どんな人と一緒に働きたいか」、大学広報なら「受験生へのメッセージ」を入れると、読者が次の行動を起こしやすくなります。書き手の感想で締めるより、話し手本人の言葉で終えるほうが余韻が残ります。
プロフィールと写真キャプション
プロフィールには氏名・所属・経歴を簡潔にまとめます。見落とされがちなのが写真のキャプションです。キャプションは本文より先に読まれることも多いため、「笑顔で語る〇〇さん」で済ませず、本文の要点を一言添えると記事全体の訴求力が高まります。
自社制作と外注の使い分け
自社で書くのに向いているケース
社内報の短い社員紹介や、定期的に更新するブログ記事など、スピードと更新頻度を重視するコンテンツは、自社で書く体制を整えるのがおすすめです。社内の事情をよく知る担当者だからこそ引き出せる話もあります。本記事で紹介した型をテンプレートとして共有すれば、担当者が変わっても一定の品質を保ちやすくなります。
制作会社に任せたほうがよいケース
一方で、次のようなケースでは、取材記事の実績がある制作会社への外注を検討する価値があります。
- 経営者インタビューや導入事例など、企業の顔となる重要なコンテンツ
- 大学案内や採用パンフレットなど、多くの人の目に触れ、長く使われる媒体
- 取材・撮影・原稿・Web公開まで一貫して任せたい場合
- 社内に書き手がいない、または担当者の負担が大きすぎる場合
特にBtoBの導入事例や採用広報では、「社外の人が聞くからこそ話せること」があります。第三者の立場から質問することで、社内インタビューでは出てこない本音やエピソードが引き出せるのも、外注の大きなメリットです。
制作会社を選ぶときのチェックポイント
制作会社を選ぶ際は、次の3点を確認しましょう。
- 同じ業界・目的の取材実績があるか:大学、BtoB、採用など、分野ごとに求められる構成の勘所は異なります
- 構成案を事前に提示してくれるか:取材前に構成の方向性をすり合わせられる会社は、仕上がりのブレが少なくなります
- 読者視点で原稿を編集できるか:話し手の言葉を活かしながら、読者にとってわかりやすく再構成する力があるかは、過去の制作事例を読めば判断できます
まとめ
インタビュー記事の構成づくりのポイントを振り返ります。
- 書き始める前に「誰に、何を持ち帰ってもらうか」を一文で決める
- タイトル・リード・本文・締め・プロフィールの5パートで組み立てる
- 本文は時系列ではなく「結論→理由→具体→展望」の順で展開する
- 文字起こしは素材として編集し、話し手の意図は変えない
- 重要度の高い記事や長く使う媒体は、実績ある制作会社との使い分けを検討する
構成は、読者と話し手をつなぐ設計図です。型を押さえておけば、社内で書く場合も、外注先とやり取りする場合も、記事の質を高める判断がしやすくなります。
インタビュー記事の制作はAWORDINCにご相談ください
AWORDINC(株式会社アワード)は、大阪を拠点に、大学広報・企業PR・採用広報の取材記事を数多く手がけてきた制作会社です。取材前の構成設計から、インタビュー、撮影、原稿作成、Web・パンフレットへの展開まで、一貫して対応しています。
「社内で書いた原稿をプロの目で見てほしい」「導入事例や社員インタビューをまとめて任せたい」といったご相談も歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。
FAQ
Q1. インタビュー記事の文字数はどのくらいが適切ですか?
A. Web記事では2000〜4000字程度が一般的です。社員紹介など気軽に読んでもらう記事は2000字前後、経営者インタビューや導入事例など深く伝えたい記事は3000〜4000字を目安にするとよいでしょう。
Q2. 一問一答形式と地の文形式は、どちらがおすすめですか?
A. 目的によって使い分けます。話し手の人柄や職場の雰囲気を伝えたい場合は一問一答形式、考え方やストーリーを整理して伝えたい場合は地の文形式が向いています。
Q3. 取材前に構成を決めてしまうと、話の自由度がなくなりませんか?
A. 取材前の構成はあくまで「仮」のものです。取材中に想定外の良い話が出てきたら、構成を柔軟に組み替えます。仮構成があることで質問の軸がぶれず、かえって深い話を引き出しやすくなります。
Q4. 原稿は話し手に確認してもらうべきですか?
A. はい、必ず確認してもらいましょう。発言を編集している以上、意図とずれていないかの確認は欠かせません。事実関係や固有名詞の誤りを防ぐうえでも重要な工程です。
Q5. インタビュー記事の制作を外注する場合、どこまで任せられますか?
A. 制作会社によって異なりますが、AWORDINCでは企画・構成設計・取材・撮影・原稿作成・校正・Web掲載用の調整まで一貫して対応しています。部分的なご依頼(原稿作成のみ、リライトのみなど)も可能です。