はじめに
「キャプションなんて、写真やイラストの説明をすればいいだけでしょ」
これは、ライティング初心者が陥る典型的な間違いです。紙面やWEB、広告など記事を作成する際、タイトルなどと同様にコピーライターが神経を使って制作するのがキャプションです。今回は記事を読ませるためのキャプションの書き方、売れる記事を仕上げるためのキャプションライティングのコツを例とともにお伝えします。「キャプションって何を書けばいいかわからない」という方は必見です。
[adchord]キャプションは写真や図表の説明文
まず、キャプションについて簡単に説明します。キャプションとは、記事内にある写真や図表、イラストの周りに配置される説明コピーです。インスタ(Instagram)の「キャプション」も、まさに写真(動画)の説明文という意味から名付けられています。また、映画やテレビの字幕もキャプションといいますが、これも説明文という意味になります。
キャプションは記事中で最も読まれるコピー
では、次のことを想像してみてください。
あなたは今美容室の待ち時間で雑誌を見ています。ただ時間をつぶすために手に取っただけなのでパラパラとページをめくっています。その際、あなたはどのような目線の動きになるでしょうか?
おそらく、ほとんどの人がページの端から端までをくまなく読むことはないでしょう。では、どこを見ているかと言えば、タイトルと写真です。タイトルを見て写真を見る、もしくは、写真を見てタイトルを見るという流れがほぼ100%と言えるでしょう。そこで興味を引けば、小見出しを見て、さらに興味を抱くと本文も読んでいく。そういった流れが皆さんも実体験からも想像できると思います。ゆえに、写真と一体化していると言えるキャプションは、記事内で最も読まれるコピーであり、読者とのファーストコンタクトにあたるコピーとも言えます。
キャプション作成の3つのコツ
キャプションは読者が最も目にするコピーです。つまり、キャプションによって、読者が「読む」「読まない」を判断すると言っても過言ではありません。確かにキャプションとは図表の説明文という意味ですが、基本的にはただの写真の説明文を書いてはいけないということになります。ただの説明文というのは、写真を見たままの説明ということです。
これから、キャプション作成の3つのコツを見ていきましょう。
①情報を補足する~見てわかることは書かない~
キャプションコピーでやってはいけない筆頭は「写真や図表を一目見てわかることは書かない」です。例えば、下の会議写真に「皆で会議しました」と入れるのは最大のNGです。しかし、世の中にはこのような「見ればわかるよ!」とツッコミを入れたくなるキャプションが数多く存在します。
キャプションは写真を見ただけでは伝わらない情報を補足することが重要です。例えば、「この会議は白熱して時間をオーバーしてしまった」という内容をキャプションで説明したり、「会議の際に必ず使用しているグッズ」や「会議の際の部の決め事」などの情報を含ませてもいいかもしれません。取材対象者の印象的なコメントを入れるのもありでしょう。写真だけではわからないその場の雰囲気、視覚以外の情報を補足することが大切です。
また、キャプションに唯一の正解はなく、記事の目的や記事内の写真の枚数によって、書くべき内容は変わります。例えば、これが社内報の部署紹介の記事で、人物の写っている写真の掲載がこの1枚だけの場合は、4人全員のお名前を入れることが必要になるかもしれません。
②具体的に書く~抽象的な説明は避ける~
前述の「見てわかることは書かない」と同様に、抽象的な説明で終わらないというのも気を付けましょう。これは、タイトルや本文のライティングにも共通する考え方です。例えば、パソコンの広告で商品写真の下のキャプションとして、次の2つのキャプション候補のうち、どちらが最適だと思うでしょうか?
①「パソコンが大幅割引中」
②「今年度モデルのパソコンが25%offセール中」
もちろん②の方が、より多くの人の注目を集められるのは間違いないでしょう。「今年度」「25%」という言葉や数字が入ることで、具体性が増しているからです。
「具体的に書く」というのは、タイトルを書く際は当たり前のように意識しているはずです。しかし、キャプションになると途端に意識から外れるライターが意外と多いものです。場合によってはタイトルよりもキャプションは読まれます。キャプションライティングの際にも「具体的に書く」を強く意識しましょう。
③タイトル・小見出し・キャプションの連携~伝えるべき点を凝縮~
応用編として、タイトル・小見出し・キャプションを連携させるというテクニックがあります。小説や雑誌の場合は、お金を払って買ってまで手に入れるわけですから、読者は基本的に読む気がある人ばかりです。しかし、広告や社内報は違います。だからこそ、それほど読む気がない人にも、伝えるべき情報を確実に伝えることが求められます。
そこで用いるのが、タイトル・小見出し・キャプションを読むだけで、記事の内容を分からせる手法です。それほど読む気がない人でも、タイトルと写真・キャプション、小見出しは、パラパラとページをめくりさえすれば視覚が認識する部分です。これを利用し、タイトルと小見出し、キャプションが、要約を越えて1つの物語となるように言葉をデザインし構成します。これにより、「大切な情報を伝える」という一番の目的を果たせるようになります。広告や社内報記事のキャプションを書く際は、タイトル・小見出し・キャプションの連携を意識した書き方もチャレンジしてみましょう。
まとめ
キャプションの書き方はいかがでしたでしょうか?読まれる記事を書くには、良いキャプションを書けなければなりません。ぜひ、今回の書き方のコツを参考に、記事を読ませるためのキャプションを書いてください。
[adchord]読まれる文章のためのキャプションを書くコツ
- キャプションは写真や図表の説明文で、読者が最も見るコピー
- キャプションで情報を補足する~見てわかることは書かない~
- キャプションは具体的に書く~抽象的な説明は避ける~
- タイトル・小見出し・キャプションを連携させる~伝えるべき点を凝縮~