はじめに
オウンドメディアを成功させるには、コンテンツが大切です。しかし、いきなりコンテンツの内容を考えると、うまくいかないことがあります。
本記事では、ターゲットに刺さるコンテンツ企画方法と題して、これからオウンドメディアの運用にのぞむ人向けに、事前に明確にしておくべき3つの事柄を紹介します。コンテンツづくりの企画を整理したいという方もぜひ参考にしてください。
コンテンツ制作前にはプランニングが重要
オウンドメディアを立ち上げるとき、多くの人がサイトの方向性やコンテンツの中身から考えるはじめるのではないでしょうか。しかし、オウンドメディアをマーケティングの一部と位置づけるのであれば、戦略立案も根拠に基づいて行うべきです。その根拠となるのが、ここで紹介する3つのポイント「Whom(誰に)」「What(何を)」「How(どのように)」です。
「Whom」「What」「How」を明確にする
オウンドメディアにどのようなコンテンツを掲載するのか。それを考えるときに軸となるのが「Whom(誰に)」「What(何を)」「How(どのように)」です。
この中で最も重要なのは「Whom」です。というのは、誰に向けてのコンテンツなのかにより、「What」と「How」が異なるからです。
オウンドメディアの戦略立案を行う前に、まず「Whom」を明確にします。
オウンドメディアの主なターゲットユーザーは4タイプ
オウンドメディアの読者(ユーザー)は、明確な目的を持って訪問する人や、偶然アクセスした人まで、さまざまです。
- 既存の顧客
- 見込み客
- 情報収集中のユーザー
- 求職者
- 社内スタッフ
- 協力企業の関係者
- マスコミ関係者
- 外国人
この中で最初にターゲットとしたいのは、やはり「① 既存の顧客」と「② 見込み客」でしょう。オウンドメディアには顧客の心を掴んだり、見込み客を購買へと促す役割が期待されるので、それも当然といえます。しかし、顧客や見込み客だけが訪問するのでは、アクセス数は限られます。そうするとサイトの検索順位は上がらず、新規ユーザーの獲得が進みません。
新規ユーザーとして最もボリュームを持つのは、「③ 情報収集中のユーザー」です。また、「④ 求職者」も、アクセス数増加に貢献するユーザーです。つまり、「既存の顧客」「見込み客」「情報収集中のユーザー」「求職者」の4つが、オウンドメディアの戦略立案時に、まずはターゲットとすべきユーザーといえます。
ユーザーのタイプによってコンテンツ(「What」「How」)は異なる
ユーザーのタイプ(Whom)によって、求める情報(What)は異なります。例えば既存の顧客がサポート情報を欲しがるのに対し、見込み客は事例など、そのサービスの信用情報を求めます。
また、ユーザーごとに情報提供の最適な手段(How)にも違いがあります。既存の顧客にはメルマガやSNSによる情報発信も可能ですが、見込み客に対しては直接アプローチする手段は限られます。
では、ユーザータイプごとのコンテンツの最適解とは、どのようなものでしょうか。戦略立案時に最初にターゲットにすべき「① 既存の顧客」、「② 見込み客」、「③ 情報収集中のユーザー」、「④ 求職者」を対象に、紹介します。
既存客向けコンテンツのWhatとHow
既存の顧客は、サイトに最も訪問してくれやすいユーザーです。自社に対する信頼がすでに醸成されているため、定期的なアクセスを期待できます。
既存客向けのWhat
既存客が求める情報は次の通りです。
- アフターサポート情報
商品やサービスの正しい利用法や活用法を紹介。イラストや動画を交えたコンテンツにすると、わかりやすくておすすめです。 - レコメンド情報
購買履歴からそのユーザーにおすすめの商品を想定し、情報を提供します。 - 最新の業界動向
業界の最新動向や最先端技術の紹介。実際に自社の周りで動いているできごとや展示会・ショールームで見聞きしたことだけでなく、業界新聞などのニュースを独自の見解を交えながら紹介するのもよいでしょう。 - 事例紹介
商品やサービスの購入・運用により、顧客がどのようなベネフィットを得ているのかを紹介。読者である既存客が「自分の購買判断は間違いではなかった」と思ってもらい、満足度向上や次の購買促進につなげます。 - 特典情報
製品やサービスに関する無料勉強会やセミナーなどの情報を発信。購入者限定のサービスも、既存客の満足度や信頼度の向上に貢献します。
既存客向けのHow
既存客にはメールやSNSなど、直接的なアプローチが最も有効です。商品の活用法紹介や最新の業界情報、事例やセミナーの案内などをオウンドメディアに掲載後、URLをメールやSNSで配信し、サイト誘導を行います。
見込み客向けコンテンツのWhatとHow
オウンドメディアの運営において、最も集客したいのが見込み客です。見込み客が求めるのは、迷いを払拭し、購入意思を固めるための情報です。
見込み客向けのWhat
見込み客の迷いを払拭し、購入意思を固めさせる情報には次のようなものがあります。
- 導入事例や成功事例
事例紹介は見込み客の購買意欲を後押しするための強力なコンテンツです。ただし、信頼を損なわないためにも事実を正確に伝えるように心がけて、誇大表現にならないように注意しましょう。 - FAQ
FAQも見込み客がよく閲覧するコンテンツです。「よくある質問」に対して漏れなく回答し、購買への不安を解消します。 - 商品・サービスの詳細なスペック
ソフトウェアなら推奨される動作環境など、ハードウェアならサイズを始めとしたスペックを紹介します。見込み客が気になるところを解消することが目的です。 - 自社の企業情報
商品やサービスに関連する情報に気を取られ、意外と見落としがちなのが自社の企業情報です。見込み客はより良い商品を、より信用できる販売元から購入したいと考えます。自社が信頼に値する企業であることも忘れずにアピールしましょう。
見込み客向けのHow
主な手段は検索エンジンを経由してオウンドメディアに流入を誘う形になりますが、たとえば導入事例や商品・サービスの紹介はコンテンツのボリュームが大きくなりがちです。そのため、特集Webサイトを新たに立ち上げたり、ホワイトペーパーなどのダウンロードコンテンツを用意するなどの方法も効果的です。
情報収集ユーザー向けコンテンツのWhatとHow
情報収集のためにサイトを訪れる人は、ユーザーのボリューム層であり、なおかつ見込み客になりうる大切な存在です。
情報収集ユーザー向けのWhat
情報収集ユーザーの多くは、何かしらの課題や疑問を持ってインターネットで検索します。それらの解決・解消につながる情報を提供することが鍵になります。
情報収集ユーザー向けのHow
情報収集ユーザーの流入経路は、検索エンジンが中心になります。そのため、情報収集ユーザー向けのコンテンツは、特にSEO対策が重要になります。
求職者向けコンテンツのWhatとHow
求職者は常に一定数存在しますし、特に就職活動のシーズンには多くのサイト流入数が期待できます。また、「仕事探し」という明確な目的を持っているため、SEO対策を施しやすいのも特徴です。
求職者向けのWhat
まず求職者向けのSEO対策として、「職種名」と「地域名」の2つのキーワードを本文やh1タグ、メタディスクリプションに盛り込むようにします。他にも「募集」や「求人」、「勤務形態」なども有力なキーワード候補です。
コンテンツの種類としては、採用条件や希望する人材像といった基本情報のほか、「先輩の声」のように、どんな会社なのかをオープンにする内容もおすすめです。
求職者向けのHow
求職者の多くはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットで情報を検索するようになっています。そのため、特に求職者向けのコンテンツは、モバイル版への対応が重要になります。
まとめ
オウンドメディアのコンテンツをつくる前に明確にしておくべき3つのポイント、「Whom(誰に)」「What(何を)」「How(どのように)」を解説しました。
まずは「Whom」のうち、「① 既存の顧客」、「② 見込み客」、「③ 情報収集中のユーザー」、「④ 求職者」をメインターゲットに、「What(何を)」「How(どのように)」を考えていきましょう。
株式会社アワードでは、マーケティングDXのツールを活用した上で、キーワードや構成を最適化して考えるコンテンツマーケティングに取り組んでいます。オウンドメディア運用の中でもコンテンツ制作に社内リソースが足りない、計画通り進まないなどの課題があれば、お気軽ご相談ください。下記のお問い合わせから無料相談をお申し込みいただけます。