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社内報制作を外部発注する際の事前準備

【社内報の取材】ライターに外注する際の準備

社内報を外注する際の事前準備
社内報の外注時も事前準備が重要です

はじめに

社内報の作成において、プロのコピーライターやカメラマンを起用するケースもあるでしょう。しかし専門家に外部発注しているにも関わらず、「クオリティが上がらない」「修正作業が多くなった」「想定以下の結果しか出ない」といったお悩みを抱えている広報担当者も多いのではないでしょうか。
その際は、まず事前準備の方法が正しく行われているかを考えてみましょう。どんなプロでも、正しい方向へと担当者が導くことなく「プロだから、全部やってくれるでしょ」と丸投げしてしまえば、持てる力を発揮できません。
今回は、制作会社、プロライターとして多数の企業の取材・制作に携わり、また、企業の広報部に在籍して内部での社内報制作の経験もある筆者が、プロのライターやカメラマンに外注する際の事前準備の方法を紹介します。

社内報の担当者は、取材前から
プロのライター・カメラマンをコントロールしよう

大前提として、社内報制作を制作会社などに外部発注する際、社内の担当者(広報部や総務部が多い)は、「全てお任せ」という態度は絶対にとってはいけません。社内の担当者は、制作会社のスタッフ、プロのライター、プロのカメラマンを常にリードし、コントロールする必要があります。それは、取材時はもちろん、取材前からも同様です。

社内報の担当者は船長
(取材準備の打ち合わせが最も重要)

ー社内報制作の会社、プロライター、プロカメラマンに依頼しているのだから、広報担当者の自分の仕事は、上がってきた原稿や写真のチェックだけだー

この丸投げの考えは、社内報を外注する際に失敗する典型例です。社内の社内報担当者が自らの役割をしっかりと果たさなければなりません。では、担当者の役割とはどのようなものなのでしょうか。

社内報作成や取材、撮影を制作会社に発注する際の、社内の担当者の役割は、よく「橋渡し」と言われます。それは間違いないのですが、本当に読まれる社内報、面白い社内報を制作したいと考えているならば、制作会社やライター、カメラマンを先導しなければなりません。船で言えば、船長の役割を果たさなければならないのです。
この船がどのルートを通り、どんな目的地を目指しているのか。その航海を成功させるために、乗組員(制作会社やライター、カメラマン)はどのような動きをすればいいか。それらについて、的確な指示を与えていくことが求められます。
プロのライターやカメラマンは、櫓を漕ぐプロの船乗りです。しかし、目指す方向が定まっていなければ、船はとんでもない方向にぐんぐん進んでしまいます。だからこそ、社内の広報担当者が、彼らの力を余すことなく発揮できるように導けるかどうかに、社内報取材の成否がかかっているのです。そこで重要になるのが、取材準備の打ち合わせです。ここで、意図や情報をいかにうまく共有できるかが大切です。

社内報制作の羅針盤を持つのは社内の担当者
社内報制作の羅針盤を持つのは社内の担当者です

制作会社が間違った方向に進まぬよう
社内報の企画意図を、ストーリーを交えて説明

まず、共有すべきは、社内報の企画意図の説明です。発行する社内報全体の方向性と、各ページで伝えるべき内容を制作会社やコピーライターやカメラマンに伝えます。ポイントはストーリーを交えて語ることです。例えば、「今回は営業部が親会社から表彰を受けたので、その特集を行います」というだけでは、ストーリーがありません。「これまで、その表彰をずっと目標にして初めて受賞した」「5年連続で表彰された」「営業部の刷新により、このような成果が出た」など、なぜ社内報で取り上げるのかをストーリーを持って説明しなければなりません。

もちろん、弊社アワードのように編集・構成まで高レベルで行う制作会社であれば、そういう部分の説明がなければ、こちらから質問させていただくなどしていきますが、言われたことしかしない制作会社も残念ながら少なくありません(編集・構成の力が弱い会社は多い)。社内の担当者がしっかりと伝えるように心がけましょう。

また、社内報を外注する際、全ページをプロにお願いするパターンと、一部分だけを外注し、その他のページは社内で行うパターンの2つに大別できるでしょう。一部分だけを依頼する場合でも、全体的な方向性や、その他ページの企画についても、可能なかぎり伝えましょう。ページごとにカラーが大きく異なるアンバランスな社内報は、この部分を伝えていないがために生まれているのです。
「外部のスタッフ全員、弊社の広報部の一員になってもらう!」という心構えで、情報共有や注意点を伝えていくといいでしょう。「外部スタッフだから、ここまでは伝えなくていいか」という気持ちでは、チームとしての結束は弱くなるからです(もちろん社外秘の内容をどこまで伝えるかの精査は必要です)。

  • 社内報の全体と各ページの主旨を伝える
  • 内容の意図やストーリーを伝える
  • 外部スタッフも広報部の一員だとの意識を持つ
  • 社外秘の内容はルール化する

社内用語は外部には伝わらない!
会社および社内報の基本情報を共有する

次に会社および社内報・企画の基本情報を共有しましょう。初めて依頼する会社ならば、最新の会社案内過去1年分のバックナンバーは提供したいところです。これにより、制作会社やコピーライター、カメラマンが、その会社のカラーや社風、組織体制、社内報の位置付けや方向性、トンマナなどを把握できます。
また、会社独自の用語なども事前に伝えておきましょう。取材時でも、外部のスタッフがわからない独自用語や、一般用語とはニュアンスの違う社内用語が出てきたら、逐一解説を行うことも忘れないでください。
加えて、表記ルールも会社としてしっかりと制作しておくことをお勧めします。表記ルールとは、例をあげれば「私たち」にするのか「私達」にするのかということです。ホームページや会社案内、プレスリリース、社内報など、会社の発行物における共通の表記ルールを設けておくことが望ましいです。

  • 過去1年分のバックナンバーの共有
  • 会社案内などの資料共有
  • 会社の独自用語の共有

独自用語を解説・共有
社内の独自用語の解説・共有は必ず行いましょう

過去記事や過去冊子を共有する

加えて、担当してもらうページと同じテーマを扱ったバックナンバーも用意すれば完璧です。バックナンバーを見ながら、切り口や構成を同じにするのか、それとも新たな視点で制作するのかを考えられるからです。また、取材対象者が取り上げられた過去記事もあれば共有すると良いでしょう。仮に前の部署の時の記事であったりしても、その人の人となりや雰囲気を掴むことができ、ライターやカメラマンも、より具体的なイメージを持って当日の取材に向けた準備ができます。
このような資料をスムーズに提供するためにも、バックナンバーの整理が不可欠です。毎号、どのような記事を掲載し、どの部署の誰を取材したのかといった情報は電子化してまとめておき、簡単に検索できるようにしておきましょう。社内報での失敗の1つに、特集する部署や拠点の偏りがあります。社内報を制作しているとどうしても、取材しやすい部署、わかりやすく記事にできる部門、本社から行きやすい拠点に記事が偏ってしまいがちです。制作サイドは社内報を完成させることに必死なので、意外と気付かずに突き進んでしまい、配布後に読者が「またここの部署の特集か」となってしまう……ということは多々あります。それを防ぐためにも、何年の何号でどのような取材をしたか、一覧で見られたり、検索できたりするようにしておきましょう

  • 同じテーマのバックナンバーの共有
  • 掲載内容の電子化でまとめる(検索できるように)

必要な機材の確認のためにも
撮影カットや撮影場所を確認

カメラマンに撮影を依頼する場合は、「インタビュー時の撮影は必要か」、「人物写真は切り抜きで使用するか」「ブツ撮りは必要か」「写真を引き立てる小道具は必要か」といったことを細かく伝えておきましょう。また、撮影する場所についても、広さや明るさなどの情報を共有しておく必要があります。撮影するカットや撮影場所によって、ライティングをはじめ必要な機材が変わってくる場合があるからです。

カメラマン
撮影のカットや撮影場所は細かく打ち合わせしておく

スムーズな取材進行のために
お互いの役割について再確認

どこまでが社内の担当者の役割で、どこからが外部の制作スタッフの役割なのかについて、事前に明確にしておきましょう。例えば、取材に欠かせないヒアリングシートの作成は誰が行うのかといったことから詰めていきます。もちろん、取材に臨むコピーライターは100%ヒアリングシートを作成します。しかし、それを納品物として提出してもらうとなれば、費用が発生する場合もあります。どちらが作成するのか、また、外部の制作スタッフが作成する場合、それを納品してもらう際の費用はどうなるかなど、細かく話し合っていきましょう。ヒアリングシートについては、取材対象者に事前に共有しておくべきですが、それをするために逆算して「いつまでにヒアリングシートが必要ですね」といったことも話し合って決めましょう。

また、取材時もメインで取材を進めるのはどちらかということも決めておく必要があります。社内の広報担当者がメインで質問するのか、外部の制作スタッフがメインで仕切るのか。ここを決めておかなければ、どちらも譲り合って、まごつくことになります。

内部チェックまで見据えて
スケジュールを調整

取材以降のスケジュールについても、しっかりと確認を行いましょう。「部内チェック」「取材対象者チェック」、さらに「修正対応」の期間を、外部の制作スタッフの予定も聞きながら設定していきましょう。重要なのは、余裕をもったスケジューリングです。万が一スケジュール通りに進まず、制作期間が延長した場合、制作会社によっては追加費用を請求することもあります。そういった部分もしっかりと事前に詰めておきましょう。

スケジュール帳
社内報制作は、余裕を持ったスケジューリングを心がける

社内報の担当者は雑用係
(各種許可申請と社内へのアナウンス)

先ほど、社内報の担当者は「船長の役割を果たさなければならない」と書きましたが、実は、雑用係も兼務しなければなりません。外部のスタッフでは対応できない、社内の細々した申請や根回しをしっかりとやっておくことで、皆が心地良く社内報の取材を進めることができるのです。

社内報の外部制作スタッフを招くための
申請作業は早めに実施しよう

まずは、各種許可申請を忘れずに進めておきましょう。外部スタッフの駐車場や入館証の確保、カメラなどの撮影機材の持ち込み申請、取材場所となる会議室の予約など、当日の取材がスケジュール通り進められるように準備します。

そして、可能ならば、取材が押した場合も想定して、取材場所などを確保できればパーフェクトです。実際、突発的なトラブルが発生して、取材対象者が来られず、予定の時間に取材・撮影が始められないといったことを経験した人もいらっしゃるでしょうか。当日は何が発生するかわかりませんので、柔軟な対応ができるように、様々な想定をし、可能な限りの準備を行っておきましょう。

社内の協力を得るため
社内アナウンスを行おう

外部の取材クルーがスムーズに活動を行えるように、適宜社内アナウンスを行っておきましょう。取材対象者本人や上長には、取材時間や質問内容などに加えて、取材スタッフの人数もあらかじめ伝えておくのが望ましいです。社内の担当者、ディラクター、コピーライター、カメラマンだけでも、4名という大所帯になります。ここにカメアシやスタイリストなどが加わることもあります。事前に「何名体制でうかがいます」としっかりと伝えておきましょう。

また、大切なのが、当日撮影を行うフロアの関係者などにも、メール等でもいいので、「●時から●時まで、取材・撮影でご迷惑をおかけします」とのメッセージを送っておくことです。そういった根回しを丁寧に行うことで、クレームなどを未然に防げます

私の知り合いの広報担当者の体験談ですが、ある営業所で取材を行う際、写真撮影の実施と取材クルーの人数を伝えておらず、営業所長が大激怒したことがあったそう。聞いていない大所帯のスタッフが、撮影のセッティングをし始めたら誰だって困惑しますよね。やはり、十分に根回しをして、理解をしてもらうことが大切です。これは、紛れもなく、社内の広報担当者の使命です。

社内規則を再確認しよう

取材に先立って、撮影禁止エリア、安全規則などを含めた社内規則を再確認しておきましょう。取材当日の流れで、カメラマンやディレクターから「この場所で撮影した方がいいと思います」「部署メンバーも写ってもらった方がいい」といった提案が出る場合もあります。予定外の提案については賛否両論あると思いますが、私個人としては、こういう提案は「社内報を良くしよう」という制作スタッフの熱意が感じられて、一概に悪いことではいと思っています。しかし、その際に会社のルールとして可能かどうかを判断できるように、社内規則を再確認しておきましょう。もちろん、その場ですぐに判断できない場合は、予定通りの撮影にとどめておく勇気も大切です。また、撮影可能となった際にも、念のために関係部署には一言断りを入れるようにしてください。

  • 申請作業を迅速に行う
  • 社内アナウンスは細やかに行う
  • 社内規則を再確認しておく

いかがでしたでしょうか。皆に読まれる面白い社内報をつくるためにが、外部に委託した際も、様々な事前準備が必要不可欠です。社内報担当の皆様は、ぜひ船長として、そして雑用係として、船を目的地まで導いてください!

下記の記事も取材に関することです。ぜひお読みください。

筆者A・W:コピーライターとして、様々な企業の社内報の制作に携わること10年以上。インタビュー取材・原稿作成にとどまらず、写真撮影や紙面構成、企画立案、ディレクションまで幅広くこなす。企業の広報部に在籍し、内部での社内報制作の経験あり。外部の制作会社側、内部の広報担当側、両方の立場を知る、社内報制作のスペシャリスト。

おわりに

アワードでは各種取材や原稿作成を承ります。教育広報分野では年間20校以上の大学案内の取材と執筆を行い、企業広報でも新卒サイトの取材・執筆企画、社内報の制作などで実績を積み上げています。Web原稿では一般記事原稿とともにSEOライティングもサポート。また、首都圏、東海圏、関西圏、九州圏でライターネットワークを構築していますので全国的な対応も可能となっています。広報ツール、社内報作成でのお困りごとがございましたら、下記のお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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アワードでは各種コンテンツ制作をお受けしております。

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>サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

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「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

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