「受験生に大学の魅力が伝わっている実感がない」「発信するべきことは山ほどあるのに、人手が足りない」「他大学と似たような広報物になってしまう」。私立大学の広報担当者から、こうした悩みをお聞きすることが少なくありません。
18歳人口の減少が続くなか、私立大学を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。定員確保に苦戦する大学も少なくなく、広報の役割は「情報を知らせること」から「選ばれる理由をつくること」へと大きく変わりつつあります。
この記事では、私立大学の広報コンテンツを数多く手がけてきた制作会社の視点から、私立大学の広報が直面する主な課題を整理し、それらを乗り越えるための具体的な視点を解説します。
私立大学の広報が直面する5つの課題
1. 受験生の獲得競争が激しくなっている
18歳人口の減少により、限られた受験生を多くの大学が奪い合う状況が続いています。特に地方の中小規模の私立大学では、都市部の大規模大学や国公立大学との競合に加え、近隣の私立大学との競争も激しくなっています。広報の成果が、入学者数、ひいては大学経営に直結する時代です。
2. 他大学との差別化が難しい
「少人数教育」「手厚い就職支援」「充実した国際交流」。大学案内パンフレットを並べてみると、多くの大学が同じような言葉で強みを語っていることに気づきます。一つひとつは事実であっても、受験生から見ると違いが分かりにくく、印象に残りません。自大学ならではの価値をどう言葉にするかは、多くの私立大学に共通する課題です。
3. 発信チャネルが増え、人手が追いつかない
大学案内パンフレットや公式サイトに加え、SNS、動画、進学情報サイト、オープンキャンパスの特設ページなど、広報が担うべきチャネルは年々増えています。一方で、広報部門の人員は限られており、日々の更新や取材、学内調整に追われて、戦略的な企画に時間を割けないという声も多く聞かれます。
4. 学内の情報が広報に集まらない
教員の研究成果、学生の活躍、地域との連携プロジェクトなど、大学の中には発信すべき魅力的な話題が数多く眠っています。しかし、学部や部署の間で情報が共有されず、広報部門が知らないまま埋もれてしまうことも少なくありません。情報を集める仕組みづくりは、広報の質を左右する重要なテーマです。
5. 受験生以外への発信も求められる
大学広報の対象は、受験生だけではありません。進路選択に影響を与える保護者や高校の先生、就職先となる企業、地域社会、卒業生など、多様な関係者に向けた発信が求められます。相手ごとに伝えるべき内容は異なるため、発信の優先順位をどうつけるかも悩ましい問題です。
課題を乗り越えるための5つの視点
ブランドの核を言語化する
差別化の第一歩は、「この大学は何を大切にし、学生をどう育てるのか」という核となる価値を言葉にすることです。建学の精神や教育理念を、受験生にも伝わる具体的なメッセージに落とし込みましょう。核が定まれば、パンフレットもWebサイトもSNSも、一貫したメッセージで発信できるようになります。
「人」を通じて魅力を伝える
どの大学も似た言葉で強みを語るなかで、差を生むのは具体的なエピソードです。在学生の成長の物語、教員の研究にかける思い、卒業生の活躍など、「人」を主役にしたコンテンツは、大学の強みを説得力のある形で伝えてくれます。「少人数教育」という言葉よりも、先生との距離の近さを語る学生の一言のほうが、受験生の心に残ります。
一つの取材を多媒体に展開する
人手不足を補ううえで有効なのが、一度の取材で得た素材を複数の媒体に展開する考え方です。たとえば、在学生への取材から、Webサイト用の長い記事、パンフレット用の短いコメント、SNS用の投稿文や写真を作り分けることができます。取材の段階で活用先を想定しておけば、少ない工数で発信量を増やせます。
学内の情報を集める仕組みをつくる
各学部や部署に広報の窓口となる担当者を置く、定期的に情報提供を呼びかける、簡単な投稿フォームを用意するなど、情報が自然に広報部門へ集まる仕組みを整えましょう。教職員に「広報に伝えると大学の発信に生かされる」という実感を持ってもらうことが、継続的な情報提供につながります。
年間計画と効果検証を回す
オープンキャンパス、出願期間、入学式など、大学広報には年間を通じた節目があります。受験生の行動に合わせて、いつ、誰に、何を発信するかを年間計画として整理しておくと、場当たり的な対応を減らせます。あわせて、Webサイトのアクセス数や資料請求数、オープンキャンパスの参加者数などを振り返り、次年度の改善につなげましょう。
外部パートナーを活用するという選択肢
限られた人員ですべての課題に取り組むのは簡単ではありません。企画や学内調整は広報部門が担い、取材や原稿作成、撮影などの実務は外部の制作会社に任せるという役割分担も有効です。
大学広報の実績がある制作会社であれば、受験生の関心や入試広報の年間の流れを理解したうえで、企画の段階から提案を受けられます。外部の視点が入ることで、学内では当たり前になっていた魅力が再発見されることもあります。学生や教員への取材も、第三者が聞き手になることで、より率直な言葉を引き出しやすくなります。
まとめ
私立大学の広報が直面する課題と、解決の視点をまとめます。
- 受験生の獲得競争、差別化の難しさ、人手不足、学内の情報収集、多様な関係者への発信が主な課題
- ブランドの核を言語化し、一貫したメッセージで発信する
- 在学生や教員など「人」を主役にしたコンテンツで、強みに説得力を持たせる
- 一つの取材を多媒体に展開し、少ない工数で発信量を増やす
- 学内の情報収集の仕組みと、年間計画・効果検証のサイクルを整える
選ばれる大学になるためには、広報を「伝える仕事」から「魅力を見つけ、形にする仕事」へと進化させることが欠かせません。自大学の広報を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
私立大学の広報コンテンツはアワードにご相談ください
株式会社アワードは、私立大学の広報コンテンツを数多く手がけてきた制作会社です。大学案内パンフレット、Webサイトの記事、在学生・教員・卒業生へのインタビューなど、取材から撮影、原稿作成までワンストップで対応します。大学の魅力を掘り起こし、受験生に届く言葉で形にするお手伝いをします。
「広報物のメッセージを見直したい」「取材や原稿作成を任せられるパートナーを探している」など、お気軽にご相談ください。
FAQ
Q1. 私立大学の広報で、まず取り組むべきことは何ですか?
A. 自大学ならではの価値を言葉にすることです。ブランドの核となるメッセージが定まると、すべての広報物で一貫した発信ができるようになります。
Q2. 他大学との差別化にはどのようなコンテンツが有効ですか?
A. 在学生の成長の物語や教員の研究への思い、卒業生の活躍など、「人」を主役にした具体的なエピソードが有効です。抽象的な強みの表現よりも受験生の印象に残ります。
Q3. 広報の人手が足りない場合、どうすればよいですか?
A. 一つの取材を複数の媒体に展開して工数を抑える方法や、取材・原稿作成などの実務を外部の制作会社に任せる方法があります。
Q4. 外部の制作会社には、どこまで任せられますか?
A. 企画の提案から、学生・教員への取材、撮影、原稿作成、校正まで一括で任せられます。パンフレットやWebサイトなど、媒体に合わせた原稿の作り分けにも対応しています。
Q5. 大学以外の実績しかない制作会社でも問題ありませんか?
A. 大学広報には、入試の年間スケジュールや受験生・保護者の関心など特有の知識が求められます。大学広報の実績がある制作会社を選ぶと、企画段階から的確な提案を受けやすくなります。