デジタルマーケティング・コンテンツマーケティングのご相談はアワードへ
広報ツールの活用

広報ツールの種類と活用法を媒体・目的別に解説

広報ツールの活用
広報ツールの活用

はじめに

広報ツールは種類や特性を理解し、使用する目的に応じてうまく活用することで、効果を最大限に発揮します。

「社内報を毎月発行しているけれど誰も読んでくれない」、「取り組み事例集を出しても反響が少ない」といった課題の原因も、コンテンツの問題ではなく、広報ツールをうまく活用できていないことにあるかもしれません。

そこで本記事では、広報ツールの種類や活用方法を、媒体や使用目的ごとに解説します。「より効果的な広報活動を行いたい」、「新しい広報の手段を探している」という担当者の方は手当たり次第で始める前に、本記事をぜひご一読ください。

広報ツールとは

広報ツールは多種多様
印刷物やWebからノベルティ、社用車までも

広報ツールとは、社内外の人に企業のメッセージを伝えるための媒体です。印刷物からWebサイトやSNSなどデジタルのものまでさまざまな種類があります。代表的な広報ツールには、プレスリリースやIR広報誌、採用サイトなどが挙げられます。現在では企業の公式SNSアカウントも無視できません。また、会社の周年事業などで制作するノベルティや、社名やキャッチフレーズなどをデザインした社用車も、広い意味では広報ツールに該当します。

広報ツールの種類や特性を理解し、
適材適所で活用することが重要

ではなぜ、広報ツールが多種多様に存在するのでしょうか。その理由は、企業から発信するメッセージも多種多様だからです。「新商品を発売した」、「SDGsの取り組みを推進している」、「社員がいきいきと働いている」など、伝えたい情報に合わせて、数ある広報ツールから最も効果を発揮できるツールを選んで使用します。

社内報やSNSなど、幅広く広報ツールを使用しているのに効果が薄いと感じている場合、それは使用するツールが偏っているからかもしれません。例えばレストランが、盛り付けや添え物、食器などにこだわるのは、料理を美味しく食べてもらうためです。どんな高級ステーキでも、「便利だから」と紙皿で提供されると、味気が失せてしまいます。広報ツールも同じで、「いつも使っているから」、「手軽だから」という理由で、なんでもかんでも社内報やSNSで済まそうすると、伝えたいメッセージは相手に届かないのです。

広報活動の効果を最大化するには、広報ツールの種類や特性をしっかりと理解し、適材適所で活用することが重要なのです。

広報ツールの種類【媒体別】

広報ツールの種類
広報ツールの種類

広報ツールの種類は多岐にわたるため、体系的に説明するのが困難ですが、ここではSNS、外部制作、内部制作の3つに分類し、媒体別に解説します。なお、厳密にはSNSも内部制作にあたりますが、ツールが特に多様化しているので独立させました。

SNSツール

広報ツールとして使用したいSNSサービスは主に8つ。そのうち5つは一般的なサービスで、残る2つはビジネス特化型です。ここでは、一般的な5つのSNSを解説します。

LINE

今や電話やメールに代わる存在である「LINE」。国内の利用率は86.9%とSNSの中で最高で(次点はYouTubeで76.4%)、10代から60代まですべての年代・性別で最も多く利用されています(※1)。

年齢や性別を問わず多くの人が利用するLINEは、企業が一斉配信したい情報を届けるのに最適のツールといえます。ただし日常的に利用するSNSだけに、「頻繁にLINE通知が来るものの、どうでもいい情報ばかり……」とユーザが感じてしまうと、登録解除や通知ブロックをされてしまう可能性も少なくありません。本当に価値のある情報を伝えたい場合に利用しましょう。

※1 出典:「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」総務省情報通信政策研究所

YouTube

動画共有系SNSの筆頭「YouTube」。国内の利用率は76.4%とLINEに次いで高く、10代と20代で90%以上、30代と40代でも80%以上、50代でも75.2%と幅広い年代で利用されています(※1)。そのため、企業のYouTube活用も進んでいます。国内企業YouTubeチャンネルの視聴回数は2020年に437億回(2019年は373億回)と、前年比117%になりました(kamui tracker調べ)。

YouTubeの強みは、動画で情報を伝えられること。一般的に、1分の動画はWebページで3,600ページ分、文字だと180万文字に匹敵する情報を伝えられるといわれます。また、動画による情報は画像や文字よりも信頼されやすいのも特徴です。そのため、言語化するのが難しい商品説明や会社の雰囲気などを伝えるのに適したツールといえます。

Twitter

国内利用率は38.7%と、SNSの中で3番目に高い「Twitter」。特に10代で69.0%、20代で69.7%と、若者世代で広く利用されています。反対に60代では9.3%と、世代が上がるごとに利用率は低下します(※1)。

Twitterは、特定のユーザ間でコミュニケーションを行うLINEや、動画視聴をメインとするYouTubeと異なり、不特定多数のユーザとの交流や情報収集で利用されることの多いSNSです。

広報ツールとしての特徴は、情報をどんどん投下できるところです。Twitter内では情報がどんどん下に流されていってしまうため、定期的な日々の更新が大切になります。多くの人にしっかりと目を通してほしい重要なメッセージの発信には不向きですが、サイトへの誘導など、メディアミックス展開の入り口としては優れたツールといえます。

Instagram

写真共有系SNSである「Instagram」。国内利用率は37.8%とTwitterに肉薄し、10代(利用率63.4%)、20代(同64.0%)と若者世代から支持されています。また、30代の利用率48.6%、40代、50代共に30%以上と、もはや若者のSNSツールとはいえないほど利用者の年齢層を広げています(※1)。

広報ツールとしてのInstagramの特徴は、動画や視覚を通してユーザとの間に親近感を醸成できるところです。投稿文にハッシュタグを用いた短文を使用する文化のためか、企業アカウントも「ですます」の堅苦しい文言ではなくフランクなメッセージを掲載しています。

Facebook

Facebook」は、月間アクティブユーザ数が世界で27.4億人(2020年9月時点)と、世界で最も多くのユーザが利用するSNSです。国内での利用率は32.7%と、ここまでにあげた4サービスの後塵を拝しますが、30代〜60代まですべての年代でTwitterの利用率を上回っています(※1)。現役世代あるいは購買力の高い世代に対しては有効な広報ツールといえるでしょう。

Facebookを広報ツールとして活用する際は、前述したユーザのボリューム層から見ても、比較的真面目な情報を提供するのがおすすめです。例えば社会人対象のセミナーやイベント、キャンペーンの告知などです。

TikTok

TikTok」はここ数年でユーザ数を拡大しているSNS。音楽に合わせた15秒ほどの動画を撮影・加工・投稿できるショートムービー共有系SNSです。全体での国内利用率は12.5%ですが、10代では47.9%とFacebook(28.9%)を凌いでいます。TikTokで撮影した動画をTwitterやYouTubeにアップするなど、動画の撮影・編集ツールとして利用するユーザもいます。

TikTok自体がまだ新しいサービスなので、広報ツールとして多くの可能性を秘めているといえます。現在は、指定のハッシュタグをつけた動画を投稿したユーザを対象としたキャンペーン企画での利用が多いように、ユーザ参加型の広報ツールとしては、特に今後も活用が見込まれます。

ビジネス特化型SNS

ビジネス特化型SNSには、事業機会や転職などに興味を持つユーザが集まります。ニーズがはっきりわかっているため、中途採用の求人、セミナーなどの告知に適しています。

LinkedIn(リンクトイン)

LinkedIn(リンクトイン)」は、ビジネス特化型としては世界最大級のSNSです。ユーザ数は世界で約8億人、日本国内では約200万人といわれます。

Facebookが個人間の交流をつくるのに対して、LinkedInではビジネスに限定したコミュニケーションが行われます。同僚や取引先とのつながりを強化するだけでなく、ビジネスパートナーや新たな人材など、ビジネス上の出会いを探す場としても活用されています。広報ツールとしては、主に求人やセミナー開催などの情報提供がメインとなるでしょう。

Wantedly(ウォンテッドリー)

Wantedly(ウォンテッドリー)」はビジネスの中でも採用に特化したSNSです。登録企業数は約3万5,000社、個人ユーザ数は約220万人(いずれも2020年4月時点)。

Wantedlyでは採用を通して、自社がどのような理念を持ち、どのような活動に取り組んでいるかなどの情報を発信することで、企業ブランディングも行えます。とはいえ、Wantedly内だけで完結することは難しいので、自社HPやYouTubeチャンネルへの誘導など、他媒体との連動が活用のポイントになります。

Webメディア系広報ツール

Webメディア系広報ツールとは、自社で管理・運営ができないWeb媒体を指します。主に、プレスリリース配信サイトや求人サイトがあります。

プレスリリース配信媒体

プレスリリース配信サイトで有名なのが、「PR TIMES」。シェアナンバーワンのサイトで、上場企業の約25%が利用しています。大手ならではの豊富なPRリソースが魅力です。

中小企業から人気なのが、「ValuePress」です。丁寧なサポートで、広報初心者でも安心して任せられるのがポイントです。6万社以上の登録数は、業界最多を誇ります。

@Press」は、「記事になりやすさナンバー1」を掲げているサイトです。配信内容の査定や選定はもちろん、キュレーションメディア掲載時のチェックなどまで対応してくれる使いやすさが特徴です。

PR配信サイトには他にも、「共同通信PRワイヤー」や「Dream News」、「News2u」などがあります。料金やサービスだけでなく、取り上げる内容やテーマ、課題に応じて活用しましょう。

求人媒体

「リクナビ」や「マイナビ」、「Indeed」などに代表される求人サイト。求職者に対する情報提供をメインとする媒体ですが、潜在顧客や投資家などが、企業情報の取得するために閲覧するケースも少なくありません。サイトに掲載できるボリュームが限定されていることもありますし、企業HPやSNSなど、他の媒体との連携は欠かせません。

媒体系の広報ツール

媒体系の広報ツールとは、自社で管理・運営が可能な広報ツールのことです。外注したWebサイトやカタログなども、自社主体でデザインや修正を行えるので、内部制作に該当します。

Web媒体

Webサイトには主に、企業HP、採用Webサイト、ブログ、オウンドメディアの4つがあり、それぞれで役割が異なります。

まず企業HPは、いわば企業のデータブックのようなもの。経営理念や事業内容、所在地、代表者名など、企業の諸情報を掲載します。企業HPを訪問する人は、求職者なら経営理念や事業内容、潜在顧客なら事業内容や所在地、投資家ならIR情報など、さまざまなニーズを持っています。そのため、欲しい情報にすぐにたどり着けるような設計も大切です。

採用Webサイトは、その名のとおり、採用情報に特化した媒体です。従業員の声や実際の仕事内容、キャリアアップのロードマップを掲載するなどして、求職者の意欲を醸成します。

ブログは主に、会社の人柄を知ってもらうために活用されます。社内の身辺雑記的なコンテンツをアップすることで、ユーザの親近感を醸成します。「自社の強みはスタッフの人柄だ」という企業は、積極的に活用していきましょう。

オウンドメディアは、ユーザにとって価値のある情報(コンテンツ)を提供するための媒体です。例えば化粧品会社なら「冬場の肌荒れを防ぐ方法」など、ユーザがベネフィットを感じるような記事を掲載。そこで人を集め、購買行動へと誘導します。

印刷媒体

印刷媒体の代表的なツールは会社案内パンフレット、採用パンフレット、社内報があります。顧客に配布する機関紙・会報やレター、社内に掲示するポスター、屋外に配置する看板も印刷媒体といえます。また、新聞や業界紙(誌)などもこのジャンルになります。

Web媒体と比較して、印刷物には「人目につきやすい」、「じっくりと目を通してもらいやすい」などという強みがある一方、拡散性には劣ります。そのため、Web媒体と印刷どちらかひとつではなく、両者を連携させることが大切です。

電波媒体

電波媒体は、テレビ・ラジオなどがあげられます。マス広告と呼ばれており、広報ツールとは若干ニュアンスが異なり、広告・宣伝の分野で活用されることが多く見られます。しかし、企業のイメージ戦略に使われることも多く、広報部門で扱うことが少なくありません。

ノベルティ

社名入りの筆記用具や日用品、社用車といったノベルティも広報ツールに含まれます。ただし、ノベルティ単体で効果を発揮するのは難しいので、例えば周年記念誌の発行に合わせてグッズを制作するなど、メインとなる広報活動を補完するものとして活用します。

広報ツールの活用方法【目的別】

広報ツールの活用 目的別
広報ツールの活用 目的別

広報活動の目的は、主に次の3つに分類されます。

  • コーポレート広報・・・会社案内、採用活動、IRや周年事業など
  • サービス広報・・・カタログや会報など
  • インターナル広報・・・社内報、社内ポスターなど

これら3つの目的ごとに、ここまでで紹介した広報ツールの活用例を紹介します。

コーポレート広報でのツール活用方法

会社案内

会社案内を読むユーザのニーズはさまざまです。新たなビジネスパートナーを探している人なら事業内容を知りたいでしょうし、就活中の学生なら労働条件や企業理念を調べるでしょう。投資家なら業績の情報をほしいと考えています。それらのニーズを満たせるように、企業HPや会社案内パンフレットには、網羅的な情報の掲載が求められます。

ただし、すべてをひとつの媒体に掲載しようとすると、読みにくくなってしまいます。市役所や区役所のHPがその典型例です。さまざまなニーズを満たし、しかも読みやすい(読んでもらえる)ようにするには、例えば事業内容の説明は写真とキャプションにとどめ、具体的な話はYouTubeの動画で行う、といった他のメディアとの連携が重要になります。

採用活動でのツール活用方法

採用活動で重要な広報ツールは、採用パンフレットや採用Webサイトですが、両者とも、転職希望者や就活生の目に留まらなければ意味がありません。そこで活用したいのがSNSです。メッセージを投稿し、Webサイトやデジタルパンフレット、資料請求といったページへの誘導を図ります。

このとき注意したいのが、投稿するメッセージの質です。求職中の人は通常、複数の企業をチェックするものです。その中でまた目に留めてもらう工夫が必要になります。例えば、「『社員の声ページ』を更新! 大型プロジェクトを担当した山田さんの登場です」など、ユーザの興味を引くようなメッセージを投稿するようにします。

IRでのツール活用方法

財務状況をはじめとしたIR情報は、一定の書式に基づいて制作されるため、手を加えられるところは多くないと考えられがちです。しかし実は、例えばSNSとの連動などでより効果的になる分野もあるのです。

それは、環境や社会貢献など、SDGsや脱炭素など、環境貢献に関する分野です。これらの分野は企業にとっても投資家にアピールしたいポイントです。それなのにCO2削減量をグラフで提示するのみでは、少々インパクトに欠けるでしょう。そこで自社の環境貢献活動にフォーカスした特設サイトやYouTube、Facebookなどに誘導し、動画や写真を交えながら取組内容をわかりやすくアピールします。

また、ノベルティの活用も考えられます。プロ野球のNPBでは折れたバットで箸を制作したり、自衛隊では不要になった用具を競売にかけたりしています。これと同じように、脱炭素化による設備入れ替えで不要になった備品を記念グッズ化するというのも面白い展開です。

周年事業でのツール活用方法

周年事業では主に記念誌やノベルティ、SNS、ブログといったツールが活用できます。記念誌の制作は従業員間の愛社精神や会社への帰属意識も高まりますし、取材等を通してOB・OGとのつながりも生まれます。また、自社がどのような歴史を持つ会社なのかをPRするために、会社HP内に特設ページを設けたり、新たなWebサイトを構築するのも有効です。

ノベルティでは、自社で使用する包装紙などの備品や名刺、社用車に1年間限定で、特別デザインにする方法が考えられます。予算があればという話ですが、社外の人に周年を迎えたことをアピールできる良いきっかけになります。SNSやブログでも、記念イベントなどを対外的にアピールします。

サービス広報

サービス広報ではカタログや機関紙、会報、オウンドメディアなどが活用できます。また、ビジネス特化型のSNSで一歩踏み込んだ内容の情報を発信するのもよいでしょう。

カタログやパンフレットに情報をすべて詰め込もうとすると、読んでもらえなくなるのは会社案内と同じです。コーポレート広報と同様に、ここでも複数のツールを連携させた活動が大切になります。

インターナル広報

インターナル広報の代表的なツールは社内報です。意識や情報の共有、一体感の醸成に大きな効果をもたらします。これも会社案内と同じく、手に取ってもらえなければ意味がありません。TwitterやLINEの社内グループラインなどSNSを活用して、読者を誘導するなどの工夫が大切です。

おわりに

広報ツールの種類や活用法を解説しました。SNSやWeb媒体、印刷媒体はそれぞれに長所と短所があります。それらを理解し、適材適所で広報ツールを選択し、複合的に連携させることで、効果的な広報活動を行えます。

アワードのコンテンツ制作

アワードでは各種コンテンツ制作をお受けしております。

●企業の広報に関連するコンテンツ制作
●教育広報に関連する取材・執筆(中高・大学案内など)
●各種媒体の取材・執筆(導入事例・採用サイトなど)

○中小規模企業のWEBマーケティング
○ホワイトペーパーの企画制作
○パンフレットやカタログの企画構成

広報ツールの活用
最新情報をチェックしよう!
>サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

CTR IMG